[市場動向]

APIの増大がもたらす課題を解決する―アカマイ

2016年7月19日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

デジタルビジネスが注目されるようになり、ソフトの開発現場にも変化が起ころうとしている。これまでの品質重視からスピード重視へと軸足を移す企業も出てきており、そんな企業が重宝しているのがAPI(Application Programming Interface)だ。APIの活用が増えてくるとともに、ネットワークインフラ周りの課題も散見されるようになってきた。Webコンテンツのデリバリーを最適化してきた米アカマイは、APIデリバリーの最適化にも臨もうとしている。

(写真1)アカマイのJeffrey Costaシニア・プロダクト・マネージャー 
 

 APIは、他のソフトから機能やデータを呼び出して利用するためのインターフェースの仕様のことだ。大規模CDN(コンテンツ・デリバリ・ネットワーク)事業者として知られるアカマイのシニア・プロダクト・マネージャーであるJeffrey Costa氏の元には、急激に増加するAPIを安定的にデリバリーしたいというユーザーからの声が多数届いているという。

 その声を受けてアカマイは、APIがすでに戦略的に取り組んでいくべきボリュームのトラフィックに達していると判断した。そしてその対策として、APIデリバリーの高速化、セキュリティの担保、管理ソリューションの開発に乗り出している。

 なぜAPIのトラフィックが、これほどまでに急増しているのか。その要因のひとつにデジタルトランスフォーメーション、いわゆるデジタル改革の存在が上げられる。例えば金融分野では、Fintechといわれるスタートアップ企業が次々と登場しては、送金やモバイルバンキングなどでAPIを活用した新たなサービスを生み出している。

 対する、既存の銀行もAPIへの投資を開始しているという。長年営業を続けてきた銀行はすでに多くのデータが蓄積されており、これらはデジタルの側面からは大変価値のあるものだ。Costa氏は「APIを活用することで、この価値あるデータを開放することができる」としている。

 その先進的な一例としてCosta氏が紹介してくれたのが、老舗銀行の一行である米キャピタル・ワンの取り組みだ。同行はセキュリティ、報酬(マイル)、クレジットカードの申し込みという3つのAPIを開発者向けに公開した。外部の開発者を招待して、彼らのサービスを使って新たなサービスを開発するよう呼びかけたのだ。こうした取り組みは、米国の金融業界では比較的よくあることだという。

 また、「例えばAPIのようなソフトウェアは、ブランドを可視化できる1つの表現方法だ」と考えている人もいるという。その典型的な例が、ECサイト大手の米Amazon.comが米国サイトで提供している「Amazon Dash」だ。

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