[中国電脳事情]

【中国電脳事情・特別版】アリババ、テンセント、バイドゥ、シャオミ……中国のITリーダーたちが披露した見解と戦略

2016年12月14日(水)足立 治男

中国の主要メディアの報道から、IT関連の最新動向をピックアップして紹介する中国電脳事情。今回は、2016年11月16日~18日の3日間、浙江省烏鎮において中国国家インターネット情報事務所と浙江省人民政府の共同主催で開催された「世界インターネット大会」で語られた、同大会で講演した中国、台湾のITリーダーたちの言葉をお伝えする。

アリババ張勇CEO「シングルデーの売上高1207億元は数々の技術革新による裏づけだ」

―新浪サイエンス(2016年11月16日)

 開幕式では習近平国家主席のビデオメッセージが上映されるなど、もはや中国の国家級イベントとも言える世界インターネット大会。第3回となる2016年は、11月16日~18日の3日間で、世界110以上の国・地域から1600名以上のゲストを集めて開催された。

 中国EC事業最大手のアリババグループ(阿里巴巴集団)のCEO、張勇氏は同日開催のサブフォーラム「世界インターネットの最先端科学技術の成果発表活動」で講演し、今年で8回目となる「シングルデー」(11月11日の通称:独身の日、全中国の人々がインターネット上で“爆買い”をする日として定着、中国では「双11」と表記)について紹介した。

 シングルデーは多くの消費者にとって24時間のショッピングを楽しむ体験である。だが張氏によると、同社が2016年のシングルデーで1207億元もの売上高を稼ぎ出せたのは、その背後にある同社のシステム「飛天フォーム」における、数々の技術革新による裏づけの結果であるという。

 張氏は、「シングルデー当日は午前0時過ぎから、いきなり何千万ものユーザーによるアクセスが押し寄せるが、2016年における我々の記録は毎秒17万5000件の取引と、同12万件の決済の発生であった」とし、この驚異的な情報処理を支障なく実現した背景として、次の2つの技術を挙げた。

 1つ目は、アリババが初めて導入した「Active-Active構成」(データセンターを2カ所に分散させるが、片方を予備としてスタンバイさせるのではなく、常に双方をアクティブにさせておく技術)である。同社は2つのデータデンターを同一地域ではなく、技術的な難易度の高い「異なる地域」に配置するシステムを採用しているという。

 もう1つが、シングルデー当日に発生する数億人ものアクセス解析技術だ。この技術を支えているのが、同社が蓄積したビックデータであるという。今回は初めてこれらのアクセス解析のすべてを「スマートシステムによる計算」(張氏)に切り替えたという。

 このほか、今回からカスタマーサービスにAI(人工知能)を導入し、音声識別による自動化を実現したほか、世界初の試みとしてVR(Virtual Reality)技術を用いた「仮想ショッピング体験」(同社は本サービスを「浪費家ユーザー体験」と命名)を投入した。

 張氏は最後に、「わが社が17年間開発を続けてきた飛天フォームは、今後も我々のパブリッククラウドサービスを通じて市場に提供し、我々だけでなく、多くの中小企業のためにあらゆるサービスを提供する」とアピールして講演を締めくくった。

ホンハイ郭台銘会長「デジタル経済はメイドインチャイナ2025の根幹である」

―新浪サイエンス(2016年11月17日)

 世界最大のEMS工場であるホンハイ(鴻海精密工業・台湾)の会長、郭台銘(テリー・ゴウ)氏は、11月17日午前開催のサブフォーラム「中外政企対話フォーラム」で、「デジタル経済はメイドインチャイナ2025の根幹である」と題した講演を行った。

 郭氏は講演で、デジタル経済の構造は実体経済における価値創造の過程から構築されると説明。また、一般的製造業は、こうしたデジタル経済の構造から、スマート製造業へ転換する方法を学習することができるとの持論を語った。

 「スマート製造の過程で発生するデータをインターネット(IoT)で運用する、我々はこれを『スマート製造+インターネット』と呼んでおり、スマート製造のフォームこそ、デジタル経済の基礎である」(郭氏)。スマート工場では、すべての生産過程を記録することで膨大なデータを蓄積することができ、その結果、同社のいくつかの工場では完全な自動化を達成し、照明を消した状態でも生産が行えるようになったという。

 郭氏は続けて、「強調すべきは工業分野のインターネットとIoTにより蓄積されるビックデータだ」とし、これに関するつながりをホンハイでは、「雲(クラウド)、移(モバイルインターネット)、物(IoT)、大(ビックデータ)、智(スマート)、網(ネットワーク)+産業用ロボット」と呼んでいる。

 「次の世代はスマート製造による産業革命を迎えることになる」と意気込みを見せる郭氏は最後に、「未来の発展モデルは『ハード・ソフトの持続的な融合』である。インターネットの側から見ると『インターネット+』だが、我々のような工業の側から見れば『+インターネット』になる」との見解を示した。

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