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ビジネスへのAI実装を先導するSAP Analyticsのポートフォリオ戦略

2017年3月30日(木)

企業においてAIの実装が本格化するのはいつか――。各種アプリケーションの領域でAIの研究を重ねてきたSAPは、2017年内にビジネス全般へのAI適用が加速すると見ており、それを先導する形でソリューションをリリースしていく考えだ。「データマネジメント2017」のセッションでは、具体例として「識別する」「考える」「実行する」の3つの柱に対応したポートフォリオを取り上げ、進化するビジネスプロセスを支えるSAPソリューション戦略を紹介した。

IoTと連携したAI実装を実現し
あらゆる情報をサイバー空間で結びつける

SAPジャパン株式会社 プラットフォーム事業本部 シニアソリューションプリンシパル 古川 秀範 氏

 昨今、AI(人工知能)への関心が高まっているが、この技術を使う側にいる企業としては、AIをどのようにとらえたらよいのだろうか。

 SAPジャパン プラットフォーム事業本部 シニアソリューションプリンシパルの古川秀範氏は、AIの全体像を人間の身体に例え、「外部のデータを識別する“五感”、そこから得た情報を整理してどうするかを判断する“脳”、考えた内容を実行する“筋肉”あり、それらの間をつなぐ“神経”の4つの要素から成り立っています」と語る。

 これをもう一段ブレークダウンすることで、ITを次のような3つの実装パターンに置き換えることができる(図1)。

図1:AIの実装パターン

 第1は「識別する」。構造化および非構造化のさまざまなデータを的確に見分けて格納する仕組みだ。第2は「考える」。ルールベースによる制御や機械学習、ルールや予測結果に基づいた行動を指示するロボティクス・プロセス・オートメーションなどが相当する。そして第3は「実行する」。業務アプリケーション(会計、人事、生産など)、ビジネスサービスアプリケーション(予知保全など)、顧客接点アプリケーション(EC、マーケティングなど)、自動運転といったさまざまなソリューションを展開していくことになる。

 この3つが、現在SAPが拡張を進めているAIをテーマとしたアナリティクス製品のポートフォリオの柱となっている。「SAPアプリケーションへのAIの組み込み、機械学習の活用およびそのエンジンへのAIの組み込み、データ連携基盤・データベース基盤・アプリケーション基盤を1つに統合したプラットフォーム上でのリアルタイムAIの開発といったシナリオに沿った支援を展開していく」と古川氏は語る。

 今年1月に発表された「SAP Leonardo Innovation Portfolio for IoT Applications」もその1つだ。IoTと連携したAI実装を実現し、さまざまな製品やサービス、ビジネスの資産、車両、社会インフラ、マーケット、ヒトの関するあらゆる情報をサイバー空間(クラウド)上で結びつける役割を担う。

 毎日約8000本の列車を運行するイタリア最大の鉄道会社Trenitaliaは、先行してこのシステムを導入。車両に取り付けられたセンサーからモーターの温度、圧力、スピードなどの基本データを定期的に収集し、予防保全に活用している。列車遅延による損失を削減し、スペア部品のストックや人件費も削減できるほか、列車の安定運行が顧客体験の改善にもつながるとする。

ERPをデジタルコアとして
AIを実装したアプリケーションを展開

 SAPがコアとして位置づけるのは、もともとの強みであるERPだ。その周りの人材やサプライヤー、顧客、そしてIoTの仕組みをデジタルでつなぎ、それぞれの領域でAIを実装したアプリケーションを提供していくという。

 このイノベーションを体現するのがSAP HANA Platformだ。先ほど古川氏はAIの全体像を人間の身体に例えたが、SAP HANA Platformはそのうちの“神経”に相当し、収集・蓄積したデータをインメモリーで処理する。単純なDBサーバーだけではなくアプリケーションサーバーの機能も兼ね備えており、「リアルタイムで予測モデルを作って実行する、待ち時間ゼロの世界を実現する」と古川氏は強調する。

 さらにSAPのリアルタイム処理の技術は機械学習にも及んでいる。これまでの機械学習のエンジンは予測モデルを作る際に、どういう統計手法を用いて、データをどう加工するのか、常に人間の専門家(データサイエンティスト)のノウハウに依存していた。

 これに対してSAPは、「人のノウハウが注入された機械」を人が使うというアプローチをとる。「どんな人でも精度の高い予測モデルを作れる機械学習のエンジンを提供し、専門家依存からの解放を実現することがSAPのチャレンジだ」と古川氏は語る。

 たとえばファミレス大手のすかいらーくは、顧客の行動データに機械学習を適用して最も来店の可能性が高いタイミングを予測。個別にクーポンを配信することで、コンバージョン率を3倍に高めることができたという。

 ちなみに、この基盤としてSAPが提供している「SAP Predictive Analytics」は、すでに十数年の歴史を持つ世界初の商用機械学習エンジン(特許取得済み)で、グローバル500社以上、国内でも約80社の導入実績を誇る。「データマイニングを実施する際に、数週間から数か月といった長期間をかけて手作業で行っていた、データ準備(サンプリング、データ分割、データ加工、変数選択)およびモデル構築・検証を自動化し、データ分析の生産性や意思決定の精度を向上する」と古川氏は語る(図2)。

図2:SAP Predictive Analyticsの特徴――データマイニング自動化により生産性や意思決定精度が向上

 AIそれ自体は目的ではない。業務プロセス・アプリケーションと連携させ「カネを生む仕組み一式」として建付けて価値を生み出すことにSAPの狙いがある。


●お問い合わせ先

SAPジャパン株式会社

SAPジャパンホームページ http://go.sap.com/japan/index.html
事例など SAPジャパンブログ http://www.sapjp.com/blog/
Webでの問い合わせ先 https://go.sap.com/japan/registration/contact.html
電話での問い合わせ先 0120-554-881(受付時間:平日 9:00~18:00)

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