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[インタビュー]

「エクイニクスが世界中のDCとデジタルビジネスの架け橋を担う」―スミスCEO

米エクイニクス社長兼CEO スティーブ M.スミス氏

2017年5月8日(月)河原 潤(IT Leaders編集部)

23万超のInternet Exchange Point(IX:相互接続点)、パートナー運営も含めて175以上のデータセンターを擁する米エクイニクス(Equinix)。世界中のデータセンター/ネットワークの“つなぎ手”にしてトップクラスのサービス事業者でもある同社は、デジタル変革期のメガトレンドをどのようにとらえて、施設やサービスの強化拡充に反映させているのか。来日した社長兼CEOのスティーブ M.スミス(Stephen M. Smith)氏に聞いた。

――AWSやAzureなどのハイパージャイアントは、エクイニクスにとってパートナーであると同時に、データセンターサービスやクラウド基盤サービスのシェア争いでは競合関係になりますね。

 そのとおりで、グローバルクラウドのトップ10クラスには、いずれも我々がパートナーとして彼らのビジネスを支援している一方で、企業のITインフラの選び先としてはライバルにもなる。

 2強と呼ばれるAWSとマイクロソフトを例に取ると、両社ともクラウドサービスの提供基盤として独自の大規模サーバーファームを構築し運用している。AWSもマイクロソフトも、この3~5年でデータセンター設備やIT機器購入などにおそらく70億~100億ドルは投じているのではないだろうか。

 一方、我々は、AWSやマイクロソフトの独自サーバーファーム以外の、データセンター、ネットワーク、ストレージなどで、彼らのビジネスをグローバルにサポートしている。我々は彼らの広範なクラウドサービスのうち、ミッションクリティカル性が高く、カスタマーフェイシングな領域を引き受けていることになる。

――エクイニクスのグローバルデータセンター/ネットワークの強みが生かされる領域ですね。

 そう。具体的には両社のクラウドサービス提供基盤を形成するアクセスノード、エッジノード、キャッシュノードのうち、アクセスノードの部分を当社が担っている。パリやドバイ、ニューヨーク、シンガポールなどに拠点を置いている顧客が、AWS、Azure、Salesforce.com、Oracle Cloudなどのクラウドサービスを利用する際、どの拠点からでも我々がサポートするアクセスノードを通じて接続することになる。グローバルなマルチクラウド環境をエクイニクスが支えているかたちだ。

写真2:スミス氏は、「大手クラウドベンダーはパートナーでもありライバルでもある」と語り、グローバルなマルチクラウド環境を支えるエクイニクスの役割を強調した

分散へ向かうデータセンターアーキテクチャ

――ビッグデータ分析、AI、IoTといったデジタル変革の主役級技術に、多くの企業が取り組みを始めています。その際、従来からの中央集権型のデータセンターも、デジタルに最適化されるかたちでアーキテクチャ自体が変わっていくと見る向きもあります。

 その意味では、集中から分散へのシフトはすでに始まっている。グローバル企業の場合、従業員も顧客も世界中に散らばっているため、各拠点の側でデータやアプリケーションを展開したり、従業員のスマートフォンに業務情報を配信したりするためには、グローバルネットワークを巧みに利用できる仕組みが求められる。つまりハブ&スポーク型であり、エクイニクスのデータセンターやIXはいわば、大量の乗降や乗換がなされる国際ハブ空港のようなものだ。こうしたハブ空港は、どの大都市にも置かれている必要があるが、当社のIBXはまさにそのモデルだ。

 グローバル主要拠点は押さえたので、次のフェーズでは新興市場に展開していきたい。AWSは現在約40カ国に展開し、目指すは130カ国だという。マイクロソフトやIBMもそうだろうし、世界中にこうしたクラウド基盤が急速に展開されていくだろう。当社もこの動きに追随していく構えだ。

写真3:左より、エクイニクスアジア太平洋地域社長のサミュエル・リー(Samuel Lee)氏、スミス氏、エクイニクス・ジャパン代表取締役の古田敬氏。日本法人を率いる古田氏は「デジタル時代、データセンターがコアであり続ける。日本市場固有のニーズを踏まえて、コアにどう付加価値をつけていくかに注力する」と語った

スティーブ M.スミス(Stephen M. Smith)氏
米ニューヨーク州ウエストポイントの米国陸軍士官学校を卒業し、工学理学士号を取得。8年間の米軍在籍時代に太平洋方面駐在米軍の司令官付き副官を務めた。IT業界では、米ルーセント・テクノロジーズ(Lucent Technologies)、米EDS(Electronic Data Systems)、米HP(Hewlett-Packard)の要職を経て、2017年にエクイニクスの社長に就任。前職ではHPサービス部門のシニアバイスプレジデントとして企業・組織のコンサルティングとインテグレーション、マネージドサービス、技術開発/サポート事業グループを統括した。

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