[インタビュー]

「戦略や行動につながらないデータ分析など意味はない」──YellowfinのCEO

2017年6月1日(木)川上 潤司(IT Leaders編集部)

データは人・物・金に続く経営資源と言われながら、うまく活用し、ビジネス価値へと結び付けられている例は決して多くはない。様々なツールや手法が次々と出てきているのに、なかなか業務に根付かないのは何故なのだろうか。「ビジネスインテリジェンスをすべての従業員に」を謳い、独自のソリューションを展開しているYellowfin(イエローフィン)のCEO、Glen Rabie氏に話を聞いた。

SNSライクなコラボレーションの場を提供

 その思いを具現化するために2003年に創業し、世にリリースしたのが「Yellowfin」である。データアナリストなど一部の専門家だけが使うのではなく、従業員全員がデータ志向で行動するプラットフォームになることを強く意識している。すでに14年近くが経過し、顧客に鍛えられながらブラッシュアップを続けてきた。最新バージョンは、「7.3」にまで上がっている。

 Webベースで動く汎用性や拡張性、ドラッグ&ドロップによる直感的な操作性など、アピールしたい機能は多々あるのだが、ここでは「コラボレーション」に焦点を当てててみよう。分析結果を皆でシェアして、そこから何を読み取るべきなのか、もし改善すべきことがあるなら具体的に何をすべきなのかといったことを議論する“場”を提供する機能だ。

 Yellowfinには、業務システムに蓄積しているデータセットを取り込んで、目的に沿った形で分析・ビジュアライズする機能がある。そこでの先進性も強調したいけれど、ぐっと堪えることにしよう(笑)。分析結果としてのインフォグラフィックスは、SNSライクな場にアップして、ただちに社内に公開することができる。察しのよい読者なら、その先にある機能も想像できることだろう。そのデータに基づいた意見やアイデアをコメントしたり、他の人にレコメンドしたりといったことが簡単にできる。

 一人ひとりのタイムラインには、自分が携わっている事業の実績や、社内で話題になっているデータなどが次々に流れてくる。もちろん、それに対する見解や気付き、採るべきアクションなど、色々なコメントも一緒だ。この場にアクセスすれば、今ビジネスの実状がどうなっているのか、どんな問題意識が社内に渦巻いてどう決断しようとしているのかといったことが一目瞭然となるし、もし、自分に持論や閃きがあれば投げかけて問うこともできる。分析結果をメール添付で共有するといった前時代的なやり方では実現できないダイナミズムがそこにある。

データへの感度を上げるためのプラットフォーム

 こうしたプラットフォームが現場に根付くことに何が起こるだろうか。「KPIを見直すべきだ」「今までのデータでは足りない」「このデータは本当に信頼に足るのか」…こうした意見が出てくるのは想像に難くない。そう、データに対する“感度”が底上げされることになるのだ。それは、データドリブン経営の実践にとって、何よりも大事なことである。

 データ活用の成熟度が上がるに伴い、そもそもの品質が怪しいとか、粒度が揃っていないといったデータマネジメント上の問題が露呈してくるのはよくあることだ。そこに気が付く人が一人でも増えれば、正しく役に立つデータを日ごろからハンドリングしようと努力するし、システムを見直す時の仕様にも反映されるようになる。マスターデータの統合といった一筋縄ではいかないプロジェクトについても、その意義が理解されれば進めやすいし投資への理解も広がるだろう。

 BIツール、データディスカバリーツールなどと呼ばれる分野においては、内包する分析手法の多さや、いかに見栄え良いチャートを作れるかなどといったことが話題になりがちで、実際にそうした観点で比較されることもある。ただ、私の考えとしては、それは枝葉末節であり、最も大事なのは、その製品にどんな設計思想が込められているかという“幹”だ。

 繰り返しになるが、データは社内で共有され、戦略や行動につながってこそ価値がある。デジタルテクノロジーが凄まじい勢いで進化しビジネスにも多大なインパクトを与えるようになった今、そうした動きができる企業はまさに“水を得た魚”となるだろう。当社製品のユーザーが“Yellowfin(=キハダマグロ)”のごとく大海を自由自在に泳ぎ回る姿を夢見て、これからも実直に進化させていくつもりだ。(談)
 

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