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文書コンテンツ配信の「Handbook」が用途を拡大、360度動画やサイネージなど

2017年7月18日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

インフォテリアは2017年7月18日、iPadなどのモバイル端末に文書コンテンツを配信するクラウドサービス「Handbook」の新バージョン「Handbook 5」を発表した。360度動画への対応やデジタルサイネージとしての利用など、これまでよりも利用用途を広げた。販売目標は、2018年度に累計契約数2000件。

写真1●Handbookの画面(iPadでの2画面分割表示)写真1:Handbookの画面(iPadでの2画面分割表示)
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 Handbookは、モバイル端末を想定した、文書コンテンツの配信サービスである。コンテンツを作成/編集して配信する機能をSaaS型クラウドサービスの形態で提供する。コンテンツ閲覧ソフトの稼働環境は、iOS(iPad/iPhone)、Android、Windows。汎用Webブラウザ(Flashランタイム)でも閲覧できる。

 主な用途として、営業資料、商品カタログ、会議資料、ラーニング教材などを作成/編集し、これをモバイル端末に配信できる。配信コンテンツの単位を「ハンドブック」と呼び、複数のファイル(画像、オフィス文書、PDFなど)を階層構造に配置してまとめたものになる。レイアウトも設定できる。

Handbookの利用シーンを拡大、360度映像や2画面マルチタスクなど

 今回の新版では、新機能の追加によって、利用用途を拡大した。具体的には、大きく5つの強化点がある。

 (1)360度パノラマ画像/動画を扱えるようにした。動画をクラウドにアップロードすれば、閲覧ソフトでこれを閲覧できる。ホテルの部屋の中を360度パノラマ操作で閲覧したり、工事風景を記録して後から閲覧したりといった使い方ができる。

 (2)デジタルサイネージ機能も追加した(図1)。Handbook内のコンテンツを組み合わせて1つの動画のように再生することができる。店舗で製品説明に使っているiPadを、サイネージ端末として流用できる。

図1●デジタルサイネージ機能の概要(出所:インフォテリア)図1●デジタルサイネージ機能の概要(出所:インフォテリア)
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 (3)iOS 9で追加されたiPad専用のマルチタスク機能「Split View」(スプリットビュー)に対応した(図2)。片方の画面で文書を共有しながら、もう片方の画面でテレビ会議をする、といった使い方ができるようになった。

図2●2画面表示機能の概要(出所:インフォテリア)図2●2画面表示機能の概要(出所:インフォテリア)
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 (4)Windows 10の閲覧機能を強化し、iOS/Androidと同様の操作感を得られるようにした。Hololensを使った画面操作もできるようになった。

 (5)2017年秋に実装予定の機能として、セミナー聴講者など不特定多数に対してコンテンツを配布できるようにする。閲覧者側でHandbookの閲覧ソフトをインストールする必要があるが、閲覧ソフトを利用するのにライセンスは必要ない。

 Handbookの価格(税別)は以下の通り。共用サーバーを使う安価プラン「Standard」の場合、ユーザー数は50人で、最大保存容量1Gバイトの最小構成時に月額2万円または年額20万円。最も高額なプラン「Enterprise」の場合、サーバーは専用となり、保存容量は無制限。ユーザー1000人で月額38万円または年額380万円。

MCE(モバイルコンテンツ活用)を標榜、複数用途での利用を推進

写真2:インフォテリアで社長兼CEOを務める平野洋一郎氏(中央)、ネットサービス事業本部で副本部長を務める黒柳開太郎氏(写真右)、ネットサービス事業本部で製品技術部長を務める中嶋誠氏(写真左)写真2:インフォテリアで社長兼CEOを務める平野洋一郎氏(中央)、ネットサービス事業本部で副本部長を務める黒柳開太郎氏(写真右)、ネットサービス事業本部で製品技術部長を務める中嶋誠氏(写真左)
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 Handbookの利用用途の拡大は、インフォテリアの中期経営計画でもある。この変化について、インフォテリアの平野洋一郎社長兼CEOは、「MCM(モバイルコンテンツ管理)からMCE(モバイルコンテンツ活用)へと製品のカテゴリが変わった」と表現する。

 「Handbook以外のソフトを使っているユーザーは、ペーパーレス会議や電子カタログなど、限られたシーンごとに専用のソフトを利用している。一方、Handbookユーザーの56%は、Handbookを複数の用途で利用している」と指摘するのは、インフォテリアのネットサービス事業本部で副本部長を務める黒柳開太郎氏。

 2018年度の目標として、複数の用途でHandbookを利用しているユーザーを、現行の56%から76%へと向上させる意向である。「Handbookに対する満足度は、複数用途で使っているユーザーの満足度(92%)の方が、単一用途で使っているユーザーの満足度(84%)よりも高い」(黒柳氏)という。

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