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工業製品の真贋を画像認識で判定する「Yoctrace」─富士ゼロックスが技術を提供

2017年7月27日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士ゼロックスは2017年7月27日、スマートフォンで製品を撮影するだけで真贋の判定ができる一意識別技術「Yoctrace(ヨクトレース)」を発表した。工業製品などの物体表面に現れる固有のパターンを画像認識によって識別する仕組み。2017年に入ってから印刷業などを対象にライセンス提供を開始している。コンサルティングを経た上で、ユーザーが必要とする形態で提供する。

 偽物を作られやすい工業製品の真贋を、画像認識によって判定する。あらかじめ個々の製品をカメラで撮影してデータベースに登録しておくことで、判定時には、登録済みの製品(本物)か未登録の製品(偽物)かが分かる。紙や金属、プラスチックなど様々な素材を判定できる。主な用途として、ラベルシール、錠剤、有価証券やチケットなどの印刷紙、などを想定している。

写真1●Yoctraceの実演デモ環境。スマートフォンのカメラで製品を撮影すれば、本物かどうか(あらかじめ製品の画像を撮影してデータベースに登録済みかどうか)を判定できる写真1:Yoctraceの実演デモ環境。スマートフォンのカメラで製品を撮影すれば、本物かどうか(あらかじめ製品の画像を撮影してデータベースに登録済みかどうか)を判定できる
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 登録済みの製品かどうかを判定するという仕組みであるため、製品が本物であることを判定できるだけでなく、製造番号何番の製品なのかという、個々の製品の区別がつく。このため、データを管理しておくことによって、製品がいつどの工場で製造されたものなのかといった情報もトレースできる。

 対象となるユーザーは、製造業や印刷業などである。製品の製造時に製品を撮影して、データベースに登録する。製品の販売店などが、入荷時などにスマートフォンのカメラなどを使って真贋を判定する。有価証券やチケットなどの場合、これらを受け取った窓口で本物かどうかを判定する。

 説明会では、iPhoneのカメラとアプリを使ったデモをいくつか見せた。真贋判定では、りんごに貼ったラベルシール、りんごの表面、金属部品、錠剤のそれぞれについて、iPhoneのカメラで映して判定して見せた。アプリの画面上では、製造番号まで表示した。デモではさらに、有価証券をデータベースに登録するデモも見せた。iPhoneのカメラで紙の表面を撮影してデータベースに登録し、判定も行えることを示した。

写真2●デモで用いた真贋判定用のスマートフォンアプリの画面。判定用に、りんごのラベルシールをカメラで映している。りんごの表面の画像を登録しておけば、りんごの表面でも判定できる写真2:デモで用いた真贋判定用のスマートフォンアプリの画面。判定用に、りんごのラベルシールをカメラで映している。りんごの表面の画像を登録しておけば、りんごの表面でも判定できる
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写真3●デモで用いた真贋判定用のスマートフォンアプリの画面。りんごの真贋を判定し、本物であることが分かるだけでなく、個々のりんごを識別する番号(登録番号)も分かる写真3:デモで用いた真贋判定用のスマートフォンアプリの画面。りんごの真贋を判定し、本物であることが分かるだけでなく、個々のりんごを識別する番号(登録番号)も分かる
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