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産総研がAI用途で国内最速のスパコンを2018年度に稼働、富士通が構築

2017年10月10日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

富士通は2017年10月10日、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)から、国内最速となるスーパーコンピュータシステム「人工知能処理向け大規模・省電力クラウド基盤(AI Bridging Cloud Infrastructure、以下 ABCI)」を受注したと発表した。東京大学の柏IIキャンパス(千葉県柏市)に新設するABCIデータセンターに設置し、2018年度から運用を開始する。

 ABCIは、米NVIDIAのGPUカード「NVIDIA Tesla V100」を搭載した富士通のPCサーバー「FUJITSU Server PRIMERGY」などで構成する、GPUベースのスーパーコンピュータである。理論ピーク性能は、AI分野で重要視される半精度浮動小数点演算が550PFLOPSで、従来のシミュレーション分野などで主に用いられる倍精度浮動小数点演算が37PFLOPS。

 ABCIの中核を成す計算システムは、1088台の「PRIMERGY CX2570 M4」で構成する。CPUはIntel Xeon Goldをサーバー1台あたり2CPU(計2176CPU)、GPUはNVIDIA Tesla V100をサーバー1台あたり4基(計4352基)使う。サーバー内蔵ストレージは、NVMe規格の「Intel SSD DC P4600シリーズ」を採用した。

 実装密度は高く、2Uサイズのシャーシ「PRIMERGY CX400 M4」に、GPUカードを搭載したサーバーノード「PRIMERGY CX2570 M4」を2台搭載する。さらに、水冷モデルを採用することで省電力性を実現する。

 なお、倍精度浮動小数点演算性能の37PFLOPSは、2017年6月の最新のスパコンランキングTOP500リストで比較すると、国内1位、世界3位に相当する(1位は中国のSunway TaihuLightで125PFLOPS)。TOP500は、倍精度浮動小数点の行列演算やベクトル演算の性能を測るLINPACKベンチマークを利用する。

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