[イベントレポート]

米WalmartやAmazon、独シーメンスなど有力企業はなぜWorkdayを採用するのか?

Workday Rising2017 報告

2017年10月19日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

機密度の高い情報を扱う人事管理(HR)システムの管轄は一般には人事部門。しかし人的資産管理(HCM)となると話は違ってくる。グロ-バルの人材を最適に配置・活用する点でERP(企業資産計画)の一翼であり、経営層やCIO、情報システム部門の関与が必須になる──。米Workdayの年次カンファレンス「Workday Rising2017」は、このことがグローバル企業の潮流であることを明確に示した。そこでのトピックを報告する。

 米国シカゴで開催された「Workday Rising2017」の参加者数は8500人以上。社歴わずか12年、しかもHCM(人的資産管理)という専門性の高いソリューションを提供するIT企業が開催するカンファレンスとしては異例の集客力と言っていい。それもそのはずで同社の顧客リストには錚々たる顔ぶれが並ぶ。

写真1 Workdayの主要ユーザー(1)
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写真2 Workdayの主要ユーザー(2)
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 米国企業では2017年1月に契約を結んだWalmart(従業員220万人)、Bank of America(30万人)、FedEx(25万人)、IBM(35万人)など「Fourtune500のうち150社強がユーザー」(同社)。ビデオ配信最大手のNetflix、民泊で知られるAirbnb、2017年2月にはAmazon.comも顧客リストに加わった。合計すると「米国の就業人口の10%近くがWorkdayを使っている計算」(同社)になる。

 欧州でも着実に浸透中だ。英国のプロフェッショナルサービス企業であるAonやロールスロイス、オランダの金融機関INGなどのほか、SAPのお膝元であるドイツでもシーメンスを獲得。公表されていないがドイツ銀行もユーザーと言われる。ほかに仏Airbus、英GlaxoSmithKline、英BP(旧British Petroleum)、蘭Royal Dutch Shel、蘭Philipsなど、錚々たる企業が名を連ねる。

 結果、ユーザー企業数は世界で1800社、各社に勤務する人数は合計2700万人に達する。売り上げも右肩上がりで、過去3年は平均42%増。2017年1月期の売上高は15億7000万ドル(1730億円)になった。サービス強化のためのR&D投資やデータセンター投資などを優先しているため損益は3億7700万ドルのマイナスだが、株価は好調に推移する。

 日本でも日産自動車や日立製作所、ファーストリテイリングが海外も含めたグローバル人材マネジメントに採用しており、江崎グリコや経営トップに英国人が就く武田薬品工業を含め10社程度がユーザーだ。トヨタ自動車も海外拠点で採用している。日本国内での知名度はまだ決して高くはないものの、歴史のある大手から新興のハイテク企業まで広がる浸透度を考えると、知っておくべきIT企業の1社である。

 進む少子高齢化と国内市場の伸び悩み、グローバル化の必然性、ダイバーシティマネジメントや働き方改革など、人的資産マネジメントの変革を促す要因が数多いことも、知っておくべき理由の1つだ。米ガートナーの「Magic Quadrant for Cloud HCM Suites for Midmarket and Large」でもリーダーポジションに位置する(図1)。そこで以下では、米Workdayが開催したユーザーカンファレンス「Workday Rising2017」における製品サービスの最新状況と、ユーザー事例を中心に報告する。

図1 米ガートナーのMagic Quadrant for Cloud HCM Suites for Midmarket and Large(出典:Gartner)
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 なおWorkdayが提供するソリューションは「知っておくべき人材マネジメントSaaS「Workday」の実像~サービス編~」(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/12895)を、同社の技術基盤に関しては「知っておくべき人材マネジメントSaaS「Workday」の実像~テクノロジー編~」(http://it.impressbm.co.jp/articles/-/12896)を、それぞれ参照いただきたい。いずれも2年前の記事だが、このあたりは大きくは変わっていないからだ。

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