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実用性重視のAIチャットボットを富士通がSaaSで提供、月額28万円から

2017年11月13日(月)田口 潤(IT Leaders編集部)

富士通は2017年11月8日、企業と顧客の接点を高度化するソリューションの第一弾として、「FUJITSU Business Application CHORDSHIP powered by Zinrai」を発表した。AI技術を応用したチャットボットを、導入構築コンサルティング~稼働後の運用支援サービスと組み合わせて提供する。

 富士通はSNSやWebサイトからの問い合わせに自動応答するチャットボットをSaaSとして提供開始すると発表した。人手不足が深刻化しているコールセンターを運営する企業向け。比較的単純な問い合わせをチャットボットに委ねてコールセンターのスタッフが高度な対応に専念できるようにするほか、24時間対応も可能にする。

 中小企業などでも導入しやすいようにSaaSだけでなく、導入コンサルティングからサポートまでのフルサービスを提供する。チャットボットの利用料は月額28万円から。導入コンサルティングや稼働後運用支援サービスなどは個別見積もりで、2017年12月から提供する。

 富士通によると、多くのコールセンターでは人材の採用が困難で離職も多いといった状況が深刻になっており、一方でLINEなどSNS経由での問い合わせ対応など新たなニーズにも直面しているという。そこで利用者と会話(チャット)するソフトウェアロボットを提供することで、人が応対する必要を減らし、同時に新たなニーズにも対応できるようにする。

 提供するチャットボットの名称は、調和や心の琴線という意味から「CHORDSHIP」とした。コールセンターが蓄積した問い合わせ回答履歴やFAQ(よくある質問と回答集)を知識(ルール)ベースとし、機械学習、構文解析や1200万語もの類義語辞書などの仕組みを組み合わせた。回答群と完全一致しない言葉を含む自然文による問い合わせにも的確な回答を返すようにしている。同社はこれを「対話・機械学習ハイブリッド型AI」と呼ぶ(図1)。

図1 富士通のチャットボット「CHORDSHIP」の仕組み
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 富士通によると、チャットボットの中には、AI技術の注目株である「深層学習(DL:Deep Learning)」を採用するケースも少なくないという。話題やテーマの内容を問わずに会話が成立するような汎用のチャットボットを実現するには、知識ベース型のAI技術では知識の整備が追いつかないからだ。CHORDSHIPでもDLを用意しているが、しかし、DLを生かすには膨大な学習データが必要で計算資源も大規模になる。

 これに対し自ずと話題やテーマが絞られる特定企業の特定商品やサービスに関する問い合わせ対応では、知識べース型でも相当程度カバーできる。ルールや類義語を追加(学習)すれば回答精度も向上する。そこで富士通は知識ベース型のAIエンジンを主に採用した。回答精度を高めるために「問い合わせに近いものは下記の5つの中にありますか」といった、中間的な回答を表示する仕組みも持たせた。自然な会話という点では劣るが、求める回答には辿り着きやすくなる。富士通の検証では図2のように大差がついたという。

図2 富士通によるチャットボットの検証結果
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 すでに家事代行マッチングサービスのベンチャー企業であるタスカジ(https://taskaji.jp/)、プロサッカーの川崎フ口ンターレが採用したほか、信販会社最大手のオリエントコーポレーションが実証実験を完了、導入に向けて検討しているという。コールセンターに関して600件以上の実績がある富士通は、「CHORDSHIP」により2020年度末までに350億円の売り上げを見込んでいる。
 

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