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コグニティブ時代に求められるCIOの役割とは?

テクノロジーを活用した変革を率先するリーダーへ

2017年12月20日(水)

デジタル社会の急速な発展により、あらゆるビジネスが大きな変化の波にさらされる中、デジタル変革をリードするCIOを対象とした「IBM CIO Leadership Exchange 2017」が開催された。IBMが目指すコグニティブ時代のビジネスプロセス変革、そしてITが自律的にサービスを提供し続ける自動化のビジョンを提示。さらに日本航空やホンダといった日本を代表する企業のITリーダーも登壇し、企業を成功に導くための新たなIT戦略を示した。

日本IBM 取締役専務執行役員 グローバル・ビジネス・サービス事業本部長 山口明夫氏

 「コグニティブで実現するビジネスプロセス変革と次世代アプリケーション開発」と題する最初のセッションに登壇した日本IBM 取締役専務執行役員 グローバル・ビジネス・サービス事業本部長の山口明夫氏は、「コグニティブによって、人間の能力をはるかに超える分析を行うことが可能となりました」と語る。

 実際、ソーシャルやIoTの普及により企業が保有する非構造化データは爆発的に増加しており、2020年に世界の全データ量は44ゼタバイトに達すると見込まれている。これは朝刊紙面(写真を含む)44兆年分に相当する膨大なもので、人間の頭脳は言うまでもなく、従来型のシステムでも処理することは不可能だ。「データはまさに次世代の天然資源。最も重要なのは単に量を確保することでなく、膨大なデータから新たな洞察(インサイト)を獲得することで、その取り組みを支援するのがコグニティブです」と山口氏は強調。既存のコンピューティングの進化と並行し、コグニティブ・コンピューティングの基盤として高い期待を寄せられている量子コンピューターの開発も進めていることにも言及した。

 では、コグニティブ時代に向けて、企業は具体的にどのような取り組みを開始すべきだろうか。

 山口氏は「すべてのビジネスプロセスにコグニティブ技術を適用する」「いままで気づかなかったデータを活用する」「モバイルやブロックチェーンなどのテクノロジーを活用する」という3つの施策を挙げ、「これらを自社で実践した場合、ビジネスがどう変わるか、どのようなことが起こるかを考えていただきたいのです」と語った。

 この3つの施策は、日本IBM自身が顧客のビジネスの分析やシステムのコンサルティングを行う上で常に意識しているポイントであり、その企業が3年後、5年後、10年後にどうあるべきかを導き出す基軸となっているという。また、IT部門にも同じ施策を試みる「IBM Watsonを活用した次世代超高速開発ソリューション」を紹介し、コグニティブ時代のアプリケーション開発やプロジェクトマネジメントがどう変わるかというビジョンを示した。

モバイルとコグニティブをベースに
日本航空が展開するIT戦略

日本航空 執行役員 IT企画本部長 岡敏樹氏

 日本IBMとタッグを組み、コグニティブ時代を見据えたIT戦略を推進しているのが日本航空だ。山口氏と代わって登壇した日本航空 執行役員 IT企画本部長の岡敏樹氏は、「2020年東京オリンピックに向けて『挑戦、そして成長へ』をテーマとする中期経営計画をスタートさせる中、私どもIT部門はテクノロジーを活用した既存事業の改善・革新・新たな収益源の確立と実現のため、デジタル化をスピーディーに推進可能なインフラ整備を進めています。またそれと同時に新たなITサービスの提供に取り組んでいます」と語った。

 新たなITサービスの具体的な事例として紹介したのが、IBM Watsonを活用したバーチャルアシスタントである。同社のコールセンターでの対応履歴やこれまで蓄積してきた豊富な旅行関連情報を基に、コグニティブ技術を応用した自動案内の実証実験を行うものだ。

 第一弾として、2016年12月より乳児連れでハワイ旅行する乗客に向けたバーチャルアシスタントを提供。2017年7月より開始した第二弾では、ハワイ島を旅行する乗客向けに現地情報をチャット形式で自動回答するサービスを提供中だ。

IBM Watsonを活用したJALのバーチャルアシスタント

 また空港に待機する整備士が航空機の便間整備を効率的に行えるよう、場所を選ばず必要な情報の閲覧や入力を可能とする整備専用モバイルアプリケーションを開発し、2017年4月より本番整備業務での活用を開始した。

 「きわめて専門的かつ多様なアーキテクチャを持つシステムに分散した整備データを集約することは非常に困難で、今回のアプリケーションは、定期航空運送を担っている航空会社では世界で初めて実用化されたシステムです」と岡氏は語った。自社内のみならず世界の航空会社で活用できる業界標準アプリケーションとすることを目指した設計がなされており、すでにフィンランド航空での導入が決定したという。

 そして2015年11月から1年間の実証実験を経て、2016年12月より本番運用を開始したのがIBM SPSS Modelerを活用した故障予測分析だ。フライト中の航空機からリアルタイムに取得するデータ、さらに着陸後にダウンロードした各種センサーデータと整備履歴データを分析し、機材故障の発生を予測して事前に整備処置を行うことで機材不具合による欠航や運行遅延を未然に防止するものだ。

 もっともこれだけを聞くと、同様の故障予測分析は建設機械や製造ラインなど他分野でも実用化されており、さほど珍しい事例ではないと考えるかもしれない。問題は分析対象となるデータ量なのだ。「航空機は数百万点の部品で成り立っており、どれ1つが故障しても飛ぶことはできません。それらの部品の状態を把握するために収集しているセンサーデータは、1フライトあたり500テラバイトに及びます。ここまで膨大なデータを自力で分析するのは不可能で、IBMの協力を得ることではじめて実業務に適用することができました」と岡氏は説明する。

 日本航空はこれらの事例を足がかかりに今後もさまざまなテクノロジーの活用を進め、ネットでの予約から空港、機内など顧客とのあらゆる接点を通じて、より満足度の高いサービスを提供していくという。

 

コグニティブ時代に求められるCIOの役割とは?デジタル社会の急速な発展により、あらゆるビジネスが大きな変化の波にさらされる中、デジタル変革をリードするCIOを対象とした「IBM CIO Leadership Exchange 2017」が開催された。IBMが目指すコグニティブ時代のビジネスプロセス変革、そしてITが自律的にサービスを提供し続ける自動化のビジョンを提示。さらに日本航空やホンダといった日本を代表する企業のITリーダーも登壇し、企業を成功に導くための新たなIT戦略を示した。

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