[松岡功が選ぶ“見逃せない”ニュース]

2017年12月の3本:富士通とマイクロソフトがAI分野で協業/AI関連企業11社が「AIビジネス推進コンソーシアム」を設立/NEC、日立、富士通が共同でセキュリティ技術者育成へ

2018年1月10日(水)松岡 功(ジャーナリスト)

2017年12月のニュースから松岡功が選んだのは、「富士通とマイクロソフトがAI分野で協業」「AI関連企業11社が『AIビジネス推進コンソーシアム』を設立」「NEC、日立、富士通が共同でセキュリティ技術者育成へ」の3本である。“見逃せない”理由と共に、それぞれのニュースのポイントをお伝えする。

[選択理由]

 AIのビジネス活用に向けて大きな弾みとなり得る動きだからだ。筆者はその根拠を、以下の同コンソーシアム設立の趣旨から強く感じ取った。

 「昨今、IoT/AI技術の発達により、データを資源として活用し、新サービスの創出や社会課題の解決に役立てようとする動きが活発化している。国内でもAIを利用したサービスを展開する企業は増加傾向にあるが、実証実験や検証の段階にある事例が多く、ビジネスでの利用については未だ黎明期の状態だ。AIをビジネスで活用し、各企業や組織が世界的なレベルでデジタルトランスフォーメーションを推進するには、各社のAIについての知見や事例を共有し、技術的な底上げを図る必要がある。各社がノウハウを相互に共有し、AIアプリケーションの共有やビジネス相互協力を通してAIを社会に役立て、ビジネスや研究活動を活性化・推進するために本コンソーシアムを設立した」

 さらに、この趣旨を説明したグリッドの曽我部完 代表取締役が、「AIのビジネス活用については今、企業の間で競争するより協業して適用できる領域を広げていく時期だ」と語ったのが印象的だった。今後の活動に注目しておきたい。

NEC、日立、富士通が共同でセキュリティ技術者育成へ

 NEC、日立製作所、富士通の3社が2017年12月14日、実践的なスキルやノウハウを持つセキュリティ技術者の育成に向け、「サイバーセキュリティ人材育成スキーム策定共同プロジェクト」を発足したと発表した。各社が持つ豊富な知見を集結し、サイバー攻撃に対処するセキュリティ技術者の能力向上や人材不足の改善を目指すとしている。

 具体的には、セキュリティ人材モデルの定義や人材育成シラバス(授業計画)の作成を行うとともに、サイバー攻撃の防御などを訓練する演習基盤システム(サイバーレンジ)と連携するインターフェースの共通化や演習の運用方法なども策定する。これにより、3社はプロジェクトの成果を用いた教育プログラムを確立し、実践的なスキルやノウハウを持つセキュリティ技術者の育成を強化するとしている。(図)

(図)サイバーセキュリティ人材育成スキーム策定共同プロジェクト(出所:NEC、日立、富士通)
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[選択理由]

 セキュリティ技術者の不足が叫ばれる中、日本を代表するIT企業3社が人材育成に向けて共同プロジェクトを発足させたのは意義深いことだと考えるからだ。3社はこのプロジェクトの成果として、将来的に教材作成ガイドラインの一部を公開するなど、政府機関や企業が推進するセキュリティ技術者の育成にも還元し、日本全体の課題でもあるセキュリティ人材不足の解決に貢献していく構えだ。

 セキュリティ技術者の不足は喫緊の課題となっているだけに、内容とともにスピーディーな取り組みが求められるだろう。


筆者プロフィール

松岡 功(まつおか・いさお)
ジャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT」の3分野をテーマに、複数のメディアでコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)などがある。

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