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[インタビュー]

メインフレームを“as a Service”に、米CAが考える基幹データの活用策

2018年1月17日(水)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

米CA Technologiesは「モダン・ソフトウェア・ファクトリー」を掲げアジャイル開発やDevOps(開発と運用の融合)のための製品/サービスを強化している。その対象プラットフォームにメインフレームを含む点は、同社の特徴の1つだろう。同社は、デジタル変革の時代にメインフレームをどう位置付けているのか。メインフレーム担当ゼネラル・マネージャのAshok Reddy(アショック・レディ)氏に聞いた。

米CA Technologiesでメインフレームを担当するAshok Reddy(アショック・レディ)ゼネラル・マネージャ米CA Technologiesでメインフレームを担当するAshok Reddy(アショック・レディ)ゼネラル・マネージャ

——脱メインフレームが叫ばれて久しい。昨今はデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応が課題になっているだけに拍車が掛かっているのではないか。

 メインフレームのユーザー数は把握していないが、計算処理能力を示すMIPS (秒間100万命令を実行可能)値でいえば、年間8〜10%の伸びを見せている。大手企業のなかには1社で5000MIPSを所有するところもある。デジタルトランスフォーメーションによりモバイルアプリケーションが増えれば増えるほど、メインフレームへのトランザクションが発生し、結果として、より多くのMIPSが必要になるからだ。

 メインフレームのMIPS値を伸ばしているのは、銀行や保険、小売り、空港といった業界である。デジタルトランスフォーメーションの時代になり、新しいアプリケーションやサービスが注目されているが、忘れてはならないのはデータの存在だ。データは現代の“キャッシュ(現金)”あるいは“ニューオイル(新たな石油)”である。昨今は、そこにセキュリティ要件も加味しなければならない。ミッションクリティカルなデータほどメインフレーム上に存在することになる。実際、企業データの8割はメインフレーム上にある。

——そのメインフレームをデジタルトランスフォーメーション時代に活用するのに必要な仕組みは何か。

 自動化であり、その実現に向けて機械学習などのAI(人工知能)を活用することだ。メインフレームの性能を最大限に引き出すことは熟練の技術者でなければ難しいのが現実だ。処理能力の拡大や最適化、負荷の再配置、新たなアプリケーションの開発など、なすべきことは多い。ただ残念ながら、メインフレームに関する技術を新たに身に付けようとする若手が少ないことは否定できない。

 こうした部分をAIで補うことで、ミッションクリティカルなデータを最新のモバイルアプリから利用できるようにする。そのためのソフトウェアとして当社は2017年11月に、「CA Mainframe Operational Intelligence」「CA Dynamic Capacity Intelligence」「CA Trusted Access Manager for Z」のメインフレーム向け製品を発表してもいる。

 Mainframe Operational Intelligenceは、メインフレームの障害発生を事前に予測し自動修復させるためのソフトウェアで、SLA(サービスレベル契約)に影響がでないようにできる。Dynamic Capacity Intelligenceは、月額利用料金を基準に最適な処理環境を自動的に構成する。

 Trusted Access Manager for Zは、IBM製メインフレームのセキュリティをさらに高めるためのソフトウェアで、企業のコンプライアンスニーズにも応えられる。

 メインフレームを製造する米IBMもAI機能としては「Watson」を展開しているが、これは汎用的なニーズに応えようとしている。当社が提供するAIは、メインフレーム環境に特化したものであり、ここではIBMとは協力関係にある。

——運用環境の整備だけなのか。

 セキュリティを含めた信頼性の確保が大前提なだけに、運用環境を整備している。当社が次に進めているのは、メインフレーム上のアプア李ケーションを各種のオープン系のツールで開発できるようにするための開発環境やテスト環境の整備である。これによりメインフレームが持つ機能をサービスとして利用できる「メインフレームas a Service」を実現したい。

 これまでオープン環境からのメインフレーム資産の利用は、ラッピングやミドルウェア経由のアクセスなど、データの利用を可能にするにとどまっていた。それ自体は、上述したように重要な仕組みだが、将来を考えれば、ビジネスプロセスそのものを変更する必要があるだけに、メインフレームの資産もAWS(Amazon Web Services)といったクラウドのように利用できなければならないと考える。

——ブロックチェーンなど分散アーキテクチャーを採用する新たなプラットフォーム構築が話題だ。それでもメインフレームなのか。

 確かにブロックチェーンへの期待は大きいし、それが適したアプリケーションも存在するだろう。だが、ブロックチェーンによる処理は全体として時間がかかるのが一般的だ。大量データを遅延なく処理する用途に応えられるかは未知数だ。

 現時点でデータの暗号化を含め、大量トランザクション処理を最も高速に処理できるのはメインフレームである。ブロックチェーンをメインフレーム上で動作させる動きもある。メインフレームas a Serviceが実現できた際には、メインフレームの見方も変わるだろう。

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