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NECが耳音響認証を強化、聴こえない音で認証可能に

2018年2月27日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2018年2月27日、人間の耳穴の形状によって決まる音の反響を用いた生体認証技術「耳音響認証」を強化し、人間の耳には聴こえない音(非可聴音)で認証できるようにしたと発表した。認証用の音が聞こえないため、ユーザーの作業を妨げることがない。

 耳音響認証は、NECが長岡技術科学大学の協力の下で開発し、2016年3月に発表した、新たな生体認証技術である。マイク一体型イヤホンを装着していさえすれば、移動中や作業を行いながらでも、本人を常時認証できる。2018年度の実用化を目指している。

図1●これまでの耳音響認証は、認証時に音が聴こえていた。新たに開発した技術では、認証時に音が聴こえないので、作業を妨げることがない(出所:NEC)図1●これまでの耳音響認証は、認証時に音が聴こえていた。新たに開発した技術では、認証時に音が聴こえないので、作業を妨げることがない(出所:NEC)
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 仕組みはこうだ。マイク一体型イヤホンを耳に装着し、イヤホンのスピーカから数100ミリ秒の音響信号を出力し、耳の穴で反響したイヤホンの音をマイクから収集する。個人特有の耳の形状によって決まる音響特性を、1秒程度で瞬時に測定する。音響特性から個人の判別に有効な特徴量を抽出する独自技術によって、認証率99%以上の高精度な認証を実現する。

 今回新たに、耳音響認証を改良し、人間の耳では聞こえない高周波(18~48kHz)の音を使って認証できるようにした。これにより、認証用の音が聞こえなくなるため、認証時にユーザーの作業を妨げることがなくなる。

 高周波の音は、周囲の電気機器やイヤホン自体が発する高周波ノイズの影響を受けやすく、また外耳道の内壁に当たっても反射せず壁面に吸収されやすい性質があるため、反射音の取得は容易ではない。これに対してNECは、2つの手法を開発し、高周波でも正確かつ安定的に測定できるようにした。

 開発した手法の1つは、「短時間同期加算法」である。非可聴音を反復的に送出して複数回の特徴抽出を行い、それらを平均することによってノイズを低減し、本来の外耳道の音響特性を強調する。

 開発した手法の1つは、「対数フィルタバンク法」である。個々の周波数ごとに取得した音響特性は、ノイズの影響で安定しない。このため、隣接する周波数をまとめた上で、音響特性を平滑化する。これにより、ノイズの影響を減らす。

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