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機械学習を自動化するDataRobot、育成プログラムなどをセット化した“AI民主化推進パッケージ”

2018年3月12日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

機械学習を用いた予測モデルの作成を自動化するソフト「DataRobot」を手がけるDataRobot Japanは2018年3月12日、DataRobotの導入や利活用を推進するため、DataRobotのライセンスに加えてトレーニングやSIサービスなどをセット化したパッケージ「AI-Driven Enterprise Package」を発表した。2018年4月1日から提供する。価格は非公開だが、要素をバラバラに導入するよりもパッケージを導入した方がコストが安くつく。

図1●パッケージ「AI-Driven Enterprise Package」で提供する育成プログラムやコンサルティングサービスの概要(出所:DataRobot Japan)図1●パッケージ「AI-Driven Enterprise Package」で提供する育成プログラムやコンサルティングサービスの概要(出所:DataRobot Japan)
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 AI-Driven Enterprise Packageでは、データ分析ソフトであるDataRobotのライセンス(50人分の年間使用ライセンス)に加え、より良いデータ分析のためのトレーニングプログラムや、データ分析プロジェクトの推進コンサルティングなどをセットにして提供する。育成プログラムやコンサルティングはこれまで個別に必要なものを組み合わせて対応してきたが、パッケージ化したことで導入を容易とし、必要なコストを削減した。

 データ分析ソフトであるDataRobotの最大の特徴は、誰でも簡単にデータを分析できることである。分析用のデータさえ用意してやればよい。Web画面からデータを登録して「何を予測するか」を指定し、「開始ボタン」を押すだけで、予測モデルを自動生成する。データさえあれば、実務に役立つ業務判断ができる。

 今回のパッケージに含まれる育成プログラムでは、DataRobotに読み込ませるための分析用のデータとして、業務の知見を活かしたより良いデータを用意するためのノウハウを習得できる。より良いデータを用意できれば、予測の精度が上がる。トレーニングではさらに、DataRobotでデータを分析した結果について、なぜそのような結果になったのかを読み解くノウハウが得られる。

図1●パッケージ「AI-Driven Enterprise Package」で提供する育成プログラムやコンサルティングサービスの概要(出所:DataRobot Japan)図1●パッケージ「AI-Driven Enterprise Package」で提供する育成プログラムやコンサルティングサービスの概要(出所:DataRobot Japan)
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図2●大阪ガスでは、故障診断、異常検知、故障予知、異常監視、という4つの類型のすべてにおいてDataRobotを活用している(出所:大阪ガス)図2●大阪ガスでは、故障診断、異常検知、故障予知、異常監視、という4つの類型のすべてにおいてDataRobotを活用している(出所:大阪ガス)
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 会見では、DataRobotのユーザーの1社である大阪ガスの河本薫氏(情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長)が登壇し、「UIが使いやすいから即決した。マニュアル無しで使える。ユーザーの心理的な限界を超えた」と、DataRobotを評価した。大阪ガスでは、故障診断(故障後に、故障部位を判別)、異常検知(異常な状態を検知)、故障予知(故障前に、故障を予測)、異常監視(通常からの逸脱を検知)、―という4つの類型のすべてにおいてDataRobotを活用している。

1000種以上の分析手法を搭載し、精度の高いモデルを生成

 DataRobotは、機械学習のうち、主に教師あり学習を自動化する。例えば、2値分類の場合、それぞれのデータがTrueかFalseかを情報として与えて学習させる。こうして作成した予測モデルを使えば、新たなデータを与えるだけで、それがTrueかFalseかを判定できる。

 1000~2000種類の分析手法(アルゴリズム)を搭載しており、分析するデータに合わせて30~40個のアルゴリズムを自動で選び、それぞれの手法を使ってモデルを作成する。学習に使わなかったデータを用いてモデルの精度を調べ、より精度の高いモデルを選ぶ。

 アルゴリズムごとにモデルを作成する処理を高速に終わらせるための機能として、並列処理ができる。同時に20個などのプロセスを同時に立ち上げて並列処理させることで、分析を早く終えられる。

 Webアプリケーション型で動作し、クラウド版(Amazon Web Servicesを使用)に加えてオンプレミス版も選択できる。これにより、分析用のデータを社外に出したくないという需要にもこたえる。

 説明会では、DataRobotを使ったデータ分析のデモを実演した。ローンの貸し倒れのデータを学習させて、これからお金を借りる人が貸し倒れになる確率を調べるという使い方である。分析対象データとして、お金を借り倒した人と、お金を借り倒さずに返した人、それぞれの属性情報を集めたデータを利用した。これを登録し、お金を借り倒すかどうかに着目してモデルを生成した。

写真1●DataRobotでチーフデータサイエンティストを務めるシバタアキラ氏写真1●DataRobotでチーフデータサイエンティストを務めるシバタアキラ氏
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 2017年度(2018年1月期)の売上は、米国に次いで2位。DataRobotでチーフデータサイエンティストを務めるシバタアキラ氏は、「2018年度は前年比3倍の売り上げを目指す」と説明する。「DataRobotでは実証実験は行わない。実際のビジネスで機械学習を運用できる」(シバタアキラ氏)。

 シバタアキラ氏によれば、プログラミング能力、統計学の基礎、業務知識、―のすべてを備えたデータ分析者は、ほとんど見つからない。一方、データ分析の専門家よりも、業務に携わっている現場担当者が課題の設定や分析結果に基付くアクションを取るべきである。「事業部門がデータ活用を主導することでうまくいく」(シバタアキラ氏)。DataRobotは、これを推進する。

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