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面倒な出張手配から経費精算までをワンストップで―コンカーが中堅中小企業向け施策を強化

2018年8月1日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

間接費の業務プロセス改善を重要視する中堅中小企業の数が意外にも多い――米Concur Technologiesの日本法人、コンカーが実施したインターネット調査の結果だ。経費精算など間接費の省力化をクラウドサービスで支援する同社は2018年7月31日、中堅中小企業の出張旅費精算の省力化を一段と推進する取り組みとして、エボラブルアジアおよびボーダーとの提携を発表した。

 コンカーが2018年6月に行った調査によると、従業員30~999名の企業において、直接費の業務プロセスの改善の必要性を感じている企業は75%、間接費の業務プロセスの改善の必要性を感じている企業が76%だった(図1)。ほぼ同数という結果にコンカーの三村真宗社長(写真1)は「意外な結果だった」としている。

図1:直接費/間接費それぞれの業務プロセスの改善の必要性(出典:コンカー)
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写真1:コンカー日本法人の三村真宗社長

 三村社長は、中堅中小企業においては、ビジネスに直結しない間接費の業務プロセス改善に関しては、直接費に対して関心が低いと予測していたが、「間接費の業務プロセス改善に関しても、直接費と同じくらい問題意識が高かったことに驚いた」という。改善が必要と考えている課題は、入力の負担(60%)や経費の可視化(58%)、プロセスの標準化(59%)などが特に高い。

 出張手配の業務プロセスについては、出張規定の厳格化が必要と考えている企業が49%、出張手配の簡素化が必要と考えている企業が54%で、相反する課題に直面していると指摘(図2)。経営者や経理部門が出張手配業務に不正のリスクを感じている一方で、社員は厳しい出張規定のもと出張手配を行っていることに負担を感じている実態が明らかになったとしている。

図2:出張手配の業務プロセスの改善の必要性(出典:コンカー)
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 そこでコンカーが打ち出したのが、中堅中小企業向けの出張手配から経費精算に至る統合サービス。国内向けのエボラブルアジア、海外向けのボーダーという2社との提携によってワンストップサービスを実現した。

 国内手配を担当するエボラブルアジアは、2007年創業で2016年マザーズ、2017年には東証一部上場を果たした、オンライン旅行事業をコア事業に据えるベンチャー。2018年6月にDeNAトラベルを買収、業界2位に躍り出ている。ITオフショア開発も請け負うなど、テック企業の一面も持っており、出張業務の効率化を支援するシステム「エアトリ」を提供している。

 海外手配を担当するボーダーは、独自のチャットシステムと、旅行業経験者を中心としたリモートワーカーを駆使して省力化を図ったビジネスモデルで注目の、クラウド海外出張手配サービスを提供している。航空券からレンタカー、宿泊施設、通訳・ガイド、通信機器、会議室など海外出張に必要な大半の手配に対応している。

 エボラブルアジアやボーダーを使って出張手配を行うと、その実績データが自動的にコンカーの経費精算システム「Concur Expense」に取り込まれる(図3)。利用者は出張手続きを別途入力する必要がなくなる。また、取り込まれたデータを分析して出張管理や効率化につなげることもできる。コンカーいわく「出張管理の高度化」だ。

図3:出張手配サービスとConcour Expenseの連携(出典:コンカー)
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 コンカーは現在、グローバルで中堅中小企業ユーザーの獲得に注力している。日本でも中堅中小企業の占める割合が契約金ベースで、2年で4~5倍の急成長を見せており、契約数ベースの場合、中堅中小向け経費精算サービス「Concour Expense Standard」がサービス全体に占める割合が2018年予測で56%と半数超えを果たす勢いだ。

 Concour Expense Standardは、大企業向けサービス「Concour Expense Pro」から中堅中小企業向けには不要と思われる機能を省いた簡易版となっているが、先の調査のように、出張手配に課題を抱える中堅中小企業が多いことに鑑み、出張手配と経費精算のワンストップサービスを新たに提供することにした。

 ちなみに、大企業向けには出張申請から出張予約、レポート、安否確認が行えるリスク管理、予約状況を確認できるモバイルアプリ、Concour Expenseと自動連携するEレシートなどのサービスを包括的に提供する専用サービス「Concour Travel」を提供している。

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