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Alexaの音声検索で正確な企業情報を届けたい―YextがAmazonとグローバル提携

2018年8月2日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

Web上での自社の情報へのコントロールを可能にするデジタルナレッジマネジメント(DKM)を提供するYext。同社は2018年7月31日、リスティングネットワーク「Knowledge Network」がAmazon.comの音声認識エンジン「Amazon Alexa」に対応したことを発表した。これにより、Alexaを通じて配信される企業情報や店舗情報についても、企業がみずから管理できるようになるとしている。

 Yextは以前紹介したとおり、インターネット検索やSNSといった各社のサービスのアルゴリズムの影響を受けて表現されるWebの情報を、ソース元の企業が自らコントロールできるようにするデジタルナレッジマネジメント(DKM)に取り組むベンダーである。

 同社は前回の取材時に、すでに音声認識エンジンやスマートスピーカーへの対応は明言しており、今回それが具体的なサービスとなって表れた形だ。

 YextのDKMサービスは、自社の最新の情報を入力するだけで、マップ、アプリ、検索エンジン、SNSなど、さまざまなサイトやサービス、コンテンツの情報が更新されるという特徴を持つが、この更新先のサービス群をリスティングネットワーク「Yext Knowledge Network」と呼ぶ。今回新たにAmazon Alexaが、Yext Knowledge Networkに加わったことになる。

写真1:Alexaエンジンを搭載したAmazon Echo Spot。他のEchoにはない液晶スクリーンを搭載しているモデルだ

 読者の中にもすでに利用している方が多いと思うが、Alexaは、「Amazon Echo」や「Echo Dot」、液晶スクリーンを搭載した「Echo Spot」(写真1)といったAmazonのスマートスピーカーに搭載されている、"AIアシスタント"と呼ばれる音声認識エンジンである。

 これらAmazonのスマートスピーカーでは、時刻や天気などを音声で知らせたり、アラームをセットしたりといったことから、音楽を流したり、本(Kindle)を読み上げたりといったAmazon.comと連動したコンテンツの利用や、音声検索も行える。

 音声検索の特徴として、通常のWeb検索と異なり、1つ、あるいはごく少数の検索結果しか回答しないことが挙げられる。音声検索の場合、検索というよりは質問のようになり、例えば「銀座アップルストアの住所は」と聞けば住所を教えてくれる。ところが、Alexaの知識には限りがあり、知らない質問をすると「ちょっとよくわかりません」という答えが返ってくる。

 この場合のAlexaの知識の源泉は、検索エンジン。検索された該当のWebページから必要と思われる情報をチョイスして回答しているが、Webサイトの作りによっては正しい回答に至らない場合もある。というのも、音声検索は構造化されたデータからしか情報を取得しないからだ。そのため、例えば先ほどの質問で、アップルストアが正しい住所を伝えたいと思えば、正しい検索結果につながるよう、Webページの住所情報を構造化しておく必要がある。もし、住所情報が構造化されていなければ、検索結果は「ちょっとよくわかりません」となる。

 Yext Knowledge Engineは企業の最新情報を、音声検索エンジンが検索できるような形で構造化してくれる。企業がYext Knowledge Engineを介してWebサイト情報を更新すれば、その情報は自動的にAlexa対応となり、正しい検索結果を導き出すことが可能になるわけだ。

 Amazonとの提携により、Web上のブランディングを自らコントロールできるようにするYextのサービスで、コントロール可能な対象に音声検索が加わったことになる。今後、AppleのSiriやGoogle Homeなど他のAIアシスタント、スマートスピーカーにもYext Knowledge Networkを広げていくことが期待される。

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