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グローバル標準化の第一歩はERPから―デル、SAPと共同で中堅中小企業向けソリューションを提供へ

2018年10月18日(木)五味 明子(ITジャーナリスト/IT Leaders編集委員)

デルは10月10日、国内の中堅中小企業を対象に、動作検証済みのSAP ERP搭載ソリューションをパッケージとして提供していくことを明らかにした。エンタープライズITの世界ではおなじみの両社だが、国内でこのように特定のターゲットに向けた営業的なプロモーションを共同で行うのは初の試みとなる。デルとSAPジャパンという"ありそうでなかった組み合わせ"は、ERPの普及を通して国内の中堅中小企業にどんな変革をもたらそうとしているのだろうか。

2タイプのパッケージを用意

 今回、デルが提供する中堅中小企業向けのERPパッケージは2タイプが用意されている。

・ハイパーコンバージドインフラ(HCI)パッケージ
最小構成の2ノード(「Dell PowerEdge R740」サーバー×2)で自動復旧と無停止メンテナンスを実現するSAP基盤のHCIのスモールスタート構成。監視サーバーとして1ノードの「Dell PowerEdge R540」が用意されている。

(図1)ハイパーコンバージドインフラパッケージの構成。最小2ノード構成と監視サーバのみのスモールスタートなERP導入を実現
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(図2)プライベートクラウドパッケージの構成。vSphereによる仮想環境が構築済みで短期導入が可能に
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・プライベートクラウドパッケージ
vSphereベースの仮想環境が検証/構築済みのSAP基盤を無停止型冗長構成で顧客のプライベートクラウド環境に導入。通常より低価格のvSphere企業向けエディションを利用可能。

 いずれのパッケージも、IT部門担当者がひとり、または別業務と兼務といったパターンが多い、いわゆる"ひとり情シス"の中堅中小企業でも導入から管理/運用までをワンストップで可能なスモールスタート構成である点が最大の特徴となっている。仮想環境もERPもすべて検証/構築済みであるため、動作検証をする時間もない中堅中小企業のIT部門に適したモデルだといえる。

 また本パッケージはSAP導入で多くの実績をもつ国内3社のパートナー企業―アイ・ピー・エス、NTTデータ グローバルソリューションズ、FutureOneと連携して、中堅中小企業向けに拡販/導入を図っていく。

提携の理由は"グローバル化"

(写真1)デル 広域営業統括本部執行役員統括本部長 清水博氏

 冒頭でも触れたが、デルとSAPジャパンが共同でプロジェクトに取り組むという話はこれまであまり耳にしたことがない。もちろん、DellおよびDell EMCのハードウェア上でSAP HANAなどを稼働させている企業は国内にも数多く存在する。しかし、両社があえて中堅中小企業をターゲットに具体的な施策を打ってきた背景には「海外進出した日系企業の数が史上最高を記録している現在、海外進出を図る国内の中堅中小企業を中心にその競争力強化の支援をしたい」(デル 広域営業統括本部 執行役員 統括本部長 清水博氏)という共通の思いがあったからだ。

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