[市場動向]

SAP、クアルトリクスの買収を発表、業務アプリ群の「エクスペリエンスマネジメント」を強化へ

2018年11月13日(火)河原 潤(IT Leaders編集部)

独SAPと米クアルトリクス(Qualtrics)は2018年11月11日(ドイツ現地時間)、SAPがクアルトリクスを80億米ドル(約9120億円)で買収することで合意したと発表した。買収は2019年上半期に終了する予定としている。クアルトリクスは2002年に設立された、カスタマーエクスペリエンス(CX)分野のソフトウェアベンダー。

 独SAPが、カスタマーエクスペリエンス(CX)分野のソフトウェアを提供する米クアルトリクス(Qualtrics)を買収する。同日付けのプレスリリースによると、SAPはクアルトリクスの全発行済株式を現金80億米ドル(約9120億円)で取得する予定で、買収価格と買収関連費用をカバーするために約70億ドルの資金調達を実施。買収は2019年上半期に終了する予定としている。

 クアルトリクスは近年、顧客に対して4つのエクスペリエンス(顧客、従業員、製品、ブランド)の効果的な管理を実現する「エクスペリエンスマネジメント(XM)」製品を訴求している。

画面1:4つのエクスペリエンス(顧客、従業員、製品、ブランド)を訴求するクアルトリクス日本法人のWebサイト(https://www.qualtrics.com/jp/)
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 SAPは、クアルトリクスの買収によって「ビジネス上のエクスペリエンスデータとオペレーショナルデータを組み合わせて生まれる新しいXMを加速し、エクスペリエンスエコノミーを強化することができる」とコメント。ERPをはじめとするSAPの各種業務アプリケーションに、ビジネスエクスペリエンスの強化という価値をもたらす意向だ。

 SAPのCEO、ビル・マクダーモット(Bill McDermott)氏は次のような声明を発表している。「我々は絶えず変革の機会を模索しており、今日の発表はまさにそれだ。SAP(の業務アプリケーション群)は全世界の取引の77%を占めている。そのオペレーショナルデータをクアルトリクスのエクスペリエンスデータと組み合わせることで、グローバル規模のエンドツーエンドソリューションとしてXMという新しい分野を加速する」

 一方、クアルトリクスのCEO、ライアン・スミス(Ryan Smith)氏のコメントは以下のとおりだ。「我々の使命は皆さんが、顧客を熱狂的なファンに、社員をアンバサダーに、製品がものすごく愛されるように、ブランドを信仰に変えることを支援することだ。 9万5000以上のグローバルチームを擁するSAPは、我々の使命をより迅速に拡張し、より広いステージで達成することを担ってくれるだろう」

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