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コールセンター通話の書き起こしサービス、保険事業向けにS&IとFAが提供

2018年11月21日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

エス・アンド・アイと、保険事業に向けたコンタクトセンターを運営するフィナンシャル・エージェンシーは2018年11月21日、IBM Watsonを活用したコンタクトセンター向けの通話内容書き起こしサービス「AI Log(エーアイログ)」を発表、同日提供を開始した。

 AI Logは、コンタクトセンター向けの、通話内容の書き起こしサービスである。IBM Watsonの音声認識機能であるSpeech to Textを用いて、全通話内容を自動的にテキスト化する。オペレーターと顧客の発話を、チャット形式で表示する(画面1)。

画面1:AI Logの書き起こし画面(出典:エス・アンド・アイ、フィナンシャル・エージェンシー)画面1:AI Logの書き起こし画面(出典:エス・アンド・アイ、フィナンシャル・エージェンシー)
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 法令違反や不適切な表現になり得る「禁則ワード」を自動でチェックしてハイライト表示する。必須ワードはタグで表示する。通話内容を聞きながら「耳」でチェックするのではなく、テキスト化された内容を「視覚的」に把握できるようになる。

 先行して利用を開始しているフィナンシャル・エージェンシーでは、これまで全通話の約30%にとどまっていた聞き起こしを、全件処理できるようになった。また、作業にかかる時間を、年間約1万5000時間削減できるだけの効果が出た。

 音声認識の精度は、フィナンシャル・エージェンシーの導入ケースでは、オペレータ側の音声認識率が90%以上、相対的に音質が劣る顧客側の音声については約75%である。

 フィナンシャル・エージェンシーは、日本全国の20代から80代までの、年齢、性別、方言など各種の特徴を持つ顧客音声ログデータを、約400万時間分持っている。これらのデータを活用して音声認識率を高めたとしている。

 なお、コンタクトセンターでは、応対品質の向上やトラブル防止を目的に、通話内容を録音し、「必須ワードを案内しているか」「禁則ワードを発していないか」などをチェックしている。フィナンシャル・エージェンシーは保険会社のコンタクトセンターなどを運営しており、年間40万時間におよぶ通話内容を約60人の専門チームがチェックしてきた。

 今後は、あらゆる業種のコンタクトセンターで使えるように、保険業界に特化した学習データだけでなく、基本的な応対マナーや禁則ワード、方言や人名などの基本的な情報によって、学習データの精度向上に継続的に取り組む。

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