[インタビュー]

欧州でのNTTデータブランド強化策が進行中―NTT DATA EMEA ベニート・バスケスCEO

NTT DATA Global Conference 幹部インタビュー(2)

2018年12月19日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

グローバル展開を行うNTTデータの、欧州における中核組織の1つが英国ロンドンに本社を置くNTT DATA EMEAだ。ドイツ、イタリア、英国など各国のグループ会社を傘下に置く管理会社で、ドイツのアイテリジェンス(itelligence)、スペインのエベリス(Everis)とともにグループの欧州戦略を担っている。実は、この欧州3社を統合しようという動きがグループ内で見られるという。同社のCEOであるベニート・バスケス(Benito Vazquez)氏に、統合の真相とグループの欧州戦略について聞いた。

※NTTデータのグローバル戦略の前回掲載インタビューはこちら「グループの強み生かし、グローバルのトップ5を目指す」―NTTデータ本間社長

──グループにおけるNTT DATA EMEAの位置づけは。

バスケス アイテリジェンス(itelligence)、エベリス(Everis)と並ぶ、NTTデータグループの欧州における主要3社のうちの1社で、NTT DATA GermanyやNTT DATA UKなど欧州各国のグループ会社を傘下に置く管理会社です。業務内容は、エベリスとNTT DATA EMEAはSIサービス事業を、アイテリジェンスは中堅・中小企業向けのSAP事業を行っています。現在、この主要3社を統一してNTT DATA EMEAの1社にしようという話し合いが行われているところです。

写真1:NTT DATA EMEAのCEO、ベニート・バスケス氏

欧州3社統合のメリットと課題

──統合はいつ頃を目指しているのか。

バスケス 話し合いが始まったのが2018年4月のことで、まだ半年なので統合の時期を答えられる状況にはありません。現在は統合会社のデザインをしようというプロセス中で、3社で同じビジョンを持てるように、お互いに理解しようとしています。ただし、この構想は絵に描いた餅というわけではなく、実際にPwCやガートナーといった外部の助けを借りてプロセスを進行しています。まずはビジョンの共有ができたら、次の段階としてどのようなプロセスで統合を進めていくかを検討する予定です。

──3社を統合することのメリットは。

バスケス 第一に、相乗効果。それぞれの企業が特徴的な強みを持ち、補完的な資産を有しています。それがひとつになることで、大きな相乗効果が期待できます。第二に、経費削減。各社共通のプロセスを1カ所に集約できるので、事務処理の効率化、生産性の改善が見込まれるだけでなく、資産の共有化も進むので結果的に競争力向上が期待できます。

 例えば、ニアショア、オフショアを担うデリバリーセンターであるハイパフォーマンスセンターをすべての会社が共有できることになります。ハイパフォーマンスセンターは、高度な方法論や自動テストなど、高度なツールを使ってソフト開発を行っているセンターですが、この高度な方法論やツールを共有できるようになることは大きなメリットです。また、例えばドイツではEMEA傘下のNTT DATA Germanyとアイテリジェンスが1つになる。イタリアでもエベリスとNTT DATA Italyが1つになるなど、スケールメリットも期待できます。

──これまで各国で別々に分かれていた企業を統合するのは相当難しいと考えられますが、どうクリアしていきますか。

バスケス 3つの違った色を持つ会社を1つにしていくことは、一昼夜ではできません。現在は、事業戦略にはじまり社員のキャリアパスも褒賞制度も異なっています。また、それぞれの企業が持つ資産も異なります。しかも2社ではなく3社を統合しようとなると、かなりの段階を踏む必要があります。各国において労働市場の状況、租税制度、法律が異なるため、異なるステップを持った複数のプロセスを、それぞれの国の法規制に則ったうえで進めていこうと考えています。

──3社の統合がNTTデータグループに与えるインパクトは。

バスケス 欧州は、世界市場の3分の1を超える34%の大市場です。これは日本の2.5倍に当たります。しかし、米国や日本の利点は、市場が1つであることです。欧州には、国ごとに異なる市場がいくつもあり、この集合体として欧州市場というものが形成されています。これまではNTTデータグループも市場ごとに異なる企業が存在していたため、欧州という観点で見ると非常に効率が悪かった。欧州という枠組みに対してひとつの企業が存在することで、グローバル全体を俯瞰して考えながら行動を取ることが可能になり、収益性も増加すると考えています。

再編後のNTTグループとのシナジーにも期待

──一方で、NTTデータの親元であるNTTグループの海外事業が再編されるということですが、その影響は。

バスケス NTTデータも含めたNTTグループというのは、世界的に見ても非常にユニークな存在です。ポートフォリオとして各ソリューションを網羅すると同時にバリューチェーンまで握ることができます。つまり、グループ内で高度なネットワークインフラからハードウェア、その上のビジネスアプリケーションまですべてをカバーできるわけです。

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