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「2022年までに日本で真のクラウドHCM市場を」─ワークデイが国内戦略を強化

2019年2月20日(水)杉田 悟(IT Leaders編集部)

日本で真のクラウドHCM市場の創造を──2019年2月14日に開催された戦略発表会で、2018年10月にワークデイ日本法人の社長執行役員に就任したばかりの鍛治屋清二氏が掲げたスローガンだ。2019年2月から始まる2020年度からの3年間で、国内大企業とグローバル企業をメインターゲットに、国内クラウドHCM市場の確立とマーケットリーダーを目指す。

 人材計画、採用、タレントマネジメント/人材育成を網羅するHCM(Human Captal Management:人事・人材管理)。米ワークデイ(Workday)はクラウドHCMの製品市場においてグローバルリーダーとの評価を受けている。

 ユーザー数はワールドワイドで約2400社。Fortune50の約50%、Fortune500の35%以上が導入しており、日本発のグローバル企業30社を筆頭に、国内ユーザー数は500社を数える。主な日本企業は日立製作所、ブラザー工業、ソニー、トヨタ自動車、日産自動車など。

写真1:日本法人の3カ年計画を説明する、ワークデイ社長執行役員の鍛治屋清二氏

 日本法人を率いる鍛治屋氏(写真1)によると、日本での成長戦略は2022年度までの3カ年計画となっている。会計年度は2月~1月で、新年度として2020年度がスタートしたばかりのタイミングでの戦略発表となった(関連記事鍛治屋氏インタビュー「DX推進に不可欠な人事評価ルールの見直し、“社員エンゲージメント”に着目を」)。

 2020年度は、日本市場に合ったオペレーション体制を確立する。まずはパートナーエコシステムの拡大。ワークデイは、ソフトウェア販売後のインプリメンテーションの8割をパートナーと共に行っている。積極的に情報を提供し、ユーザーから見たパートナーの存在感を向上させるという。日本でのパートナーはアクセンチュア、アビームコンサルティング、デロイトトーマツ、日本IBM、PwCコンサルティングの5社である。

 より深くサービスを理解して、ユーザーに届けてもらうため、「パートナーを増やすことは今のところ考えていない」(鍛治屋氏)という。毎年更新が必要な技術者認定制度を設けており、パートナー各社の認定技術者を増やしていくことがパートナー戦略の強化につながると考えている。

 一方で、販売チャネルの拡大を実施する。ワークデイはグローバルで直販しか行っていないが、日本ではご存じのようにパートナービジネスが主流。そこで、日本独自の戦略として販売パートナーを介した、間販による新たな販売チャネルの開拓を行っていくことにした。

 意思決定者に対する認知度拡大も重要な施策の1つだ。著名プロゴルファーへのスポンサードなど、積極的な投資を行ってきたワークデイだが、会社自体の認知度は国内では今ひとつ。意思決定者に近い層に向けてインバウンド/アウトバウンド双方のマーケティング、そしてデジタルマーケティングとさまざまな手段で訴求していく考えだ。

 「AI」ビジネスとの連携開始も2020年度の重要戦略に含まれる。ここで言うAIとは、人工知能のAIではなく、2018年6月に買収を発表したCPM(企業業績管理)のSaaSベンダーである米アダプティブインサイツ(Adaptive Insights)のことだ。AIが提供するのは、ビジネスプランニングを最適化するクラウドサービスだが、特に強いのがファイナンシャルプランニング、つまり財務管理プランニングだ。これをクラウド上に展開していく方針を示している。

 ワークデイは、創業以来積極的なM&A戦略で機能強化を図ってきているが、その中核にあるのが「Power of One」という考え方である。「1つのコミュニティ」「単一のソースデータ」「単一のユーザーエクスペリエンス」「単一のセキュリティモデル」を掲げているが、それを実現するため、M&Aにより手に入れたアプリケーションは即、コードを一から書き換え、シングルコードラインで運用していくことにしている。AIもその例に漏れないようだ。

図1:Power of Oneの考え方に則って買収したソフトウェアのコードは一から書き直す

 2021年度は、市場とシェアの拡大が目標だ。ユーザーコミュニティの活性化、クラウドHCM市場のリーダーシップの確立、中堅市場での展開、分析とプランニング機能の拡大といった戦略を挙げている。注目すべきは日本市場でのファイナンスの本格展開である。財務管理のファイナンスは、HCMと並ぶワークデイの主力サービスで、これまで日本では提供されてこなかった。

 鍛治屋氏によると、ワークデイは、まずはHCMを根づかせ、ある程度ポジションを獲得したタイミングでファイナンスを投入するという新市場戦略を取ってきており、日本でもこれを踏襲した形となっている。日本では2013年からHCMを提供してきたが、2021年度がファイナンス投入のタイミングと本社が判断したようだ。そのためにも、2020年度中にしっかりと地固めを終えておく必要がある。

 3カ年計画最終年度の2022年度は、プラットフォーマーとして確固たる地位を確立する。クラウドHCMおよびファイナンスを日本市場に根づかせ、企業としての信頼も勝ち得ていく。数値的な目標として、「日本発グローバル企業100社への導入を目指す」(鍛治屋氏)としている。

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