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製造業のデータ活用はなぜ進まない?

必要なのは現場に負担をかけずにコンテンツを統合/一元管理できる仕組み

2019年3月11日(月)

第4次産業革命やデジタルトランスフォーメーション(DX)といったキーワードが盛んに取り上げられ、あらゆる業種・業態の企業がデータ活用を求められている。そうしたなか、国内の製造業からは、具体的な取り組みや成果が聞こえてこないのはなぜだろうか。オープンテキスト株式会社 ソリューションコンサルティング本部 部長 大沢明広氏は、「データ活用というと、ビッグデータ分析や AI 活用といった大きな話になりがちですが、その前に自社のデータ資産を確実に把握し、管理する仕組みが最優先であり、不可欠です」と語る。

「データを溜めてはいるが活用できていない」日本の製造業の情報管理の実態とは?

オープンテキスト株式会社 ソリューションコンサルティング本部 部長 大沢 明広氏オープンテキスト株式会社 ソリューションコンサルティング本部 部長 大沢 明広氏

 経済産業省の『2018年版ものづくり白書』に、わが国の製造業におけるデータ活用の実態を浮き彫りにした、少々衝撃的なデータがある。製造業が付加価値を生み出すために、どれくらいデータ資源を活用しているかというアンケート結果だ。

 まず「生産プロセスにおいて何らかのデータ収集を行っているか」の問いに対しては、2016年度、2017年度ともに約7割が「行っている」と回答した(図1)。だが、「それらを生産プロセスの改善・向上に活用しているか」に対しては、7~8割超が「実施予定なし」、「別の手段で足りている」、「可能であれば実施したい」と答えたのだ(図2)。

図1:生産プロセスにおいて何らかのデータ収集を行っているか(出展:経済産業省『2018年版ものづくり白書』)図1:生産プロセスにおいて何らかのデータ収集を行っているか(出展:経済産業省『2018年版ものづくり白書』)
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図2:収集データの「見える化」やトレーサビリティ管理などの生産プロセスの改善・向上などへの活用度合い(出展:経済産業省の『2018年版ものづくり白書』)図2:収集データの「見える化」やトレーサビリティ管理などの生産プロセスの改善・向上などへの活用度合い(出展:経済産業省の『2018年版ものづくり白書』)
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 この数値はプロセス改善や「見える化」、「トレーサビリティ管理」など5つの分野すべてに共通している。要するに、「データ収集は行っているが、それを活用できている会社はほとんどない」ということである。

 少子化に直面するサービス業や物流、販売など他の産業領域では、すでにさまざまなデータ活用の試みが進んでいる。そう考えると、労働集約型からの転換を図る上でも、またグローバル化に対応するにも、製造業こそが真っ先にデータ活用に取り組むべきだろう。にもかかわらず、この奇妙なギャップの原因はどこにあるのか。大沢氏は、何より大きいのは認識の遅れだと指摘する。

 「どの会社でも、現状はとりあえずデータを溜めておこうという意識です。そしていよいよ社内のストレージがいっぱいになれば、今度は容量無制限のクラウドストレージに移せばよいという考えです。今はまだ全体のデータ量が少ないため必要になったときにどうにか探せますが、これからは難しくなります。そこにまだ皆さん気づいてないようです」(大沢氏)

 今後IoT などが本格的に普及すると、製造ラインからさまざまなデータが取得できるようになる。その量は膨大で、これまでの比ではない。そうなれば受け皿の準備とその管理が間に合わず、あっという間に溢れてしまうというのだ。

 「とりあえず溜めておけばよいという意識は、20年以上前から変わっていません。このままでは、日本の製造業の情報管理の先行きが危ういと感じることも少なくありません」と大沢氏は懸念を示す。

蓄積するだけでなくデータの“来歴”を記録する「レコードマネジメント」が情報活用のカギに

 では、なぜこれまで通りに蓄積するだけではだめなのか。理由は大きく2つある。

 まず、「活用するための適切な溜め方ができていない」ことが挙げられるだろう。いざ活用しようという時に正しいデータが探せず、集められずにいる。活用を前提とした情報管理基盤の不備が指摘されている。

 2つ目には、今後避けられないことが予想されている「データ爆発」の到来がある。

 大沢氏が指摘するように、IoTが本格的に普及すれば、日々どころか秒単位で生み出される膨大なデータの海を前に茫然自失となる状況も予想される。

 これでは、万が一製品欠陥などのトラブルが起きた際、その原因を突き止めようにも、生産プロセスの記録などが見つけられない。またAIを活用した製造・販売データの分析で、攻めの経営戦略に乗り出そうにも、目当てのデータのありかがわからないという状況が容易に想定される。

 「だからこそ単に溜めるだけでなく、必要な情報と捨てる情報を仕訳けした上で、必要な情報はすぐに使えるように整理・管理できる仕組みが必要なのです。それも今から準備しておかなくては、本当にDXやシンギュラリティといった転換点を迎えた時に間に合わなくなってしまいます」(大沢氏)……

 だが、その取り組みを妨げる製造業特有の課題として、「現場が強い=全社的ガバナンスが効きにくい」点が挙げられる。このため工場や部署単位での情報管理はなされていても、生産・販売・保全等の全プロセスを通じたデータの真正性までは誰も保証できない状態に陥るのだ。……

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