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埼玉県がRPAを2019年4月から15業務で実運用、検証では作業時間を最大92%削減

2019年3月27日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

埼玉県は、RPA(ロボットによる業務自動化)の実運用を開始する。2019年4月から15業務を対象に開始する。実運用に先立って7業務を対象に実施した検証では、作業時間を最大92%削減できた。RPAソフトには、富士通の「FUJITSU Software Interdevelop Axelute(インターディベロップ アクセリュート)」を使う。富士通が2019年3月26日に発表した。

 埼玉県は、定型作業の負荷が高い部門を中心に、RPAの対象業務を選定し、富士通とともに検証を行った。総務事務センターにおける勤勉手当の除算期間計算業務や、教育局財務課における県立高校の生徒マスターの集計業務など、7業務を対象に有効性を検証した。この結果、作業時間を最大92%削減できることを確認した。

 検証結果を受けて、2019年4月から本運用を開始する。検証した7業務に加えて、埼玉県が独自に取り組んでいる8業務を合わせ、計15業務でRPAの本運用を開始する。2019年度には、AIを搭載したOCR(光学文字認識)を導入し、紙資料を電子化する。これにより、RPAで自動化する範囲を拡大する。

 今回RPAの効果を検証した業務の例として、以下を挙げている。

 (1)勤勉手当の除算期間計算業務(総務事務センター)は、検証の結果、年間934時間を要する作業を72時間に短縮し、作業時間の92%を削減できる見込みである。同業務は、複数のシステムで管理している、職員の育休や休職、休暇などのデータを統合し、勤勉手当の算定に必要となる除算期間などを算出する業務。職員が勤務整理簿を参照に計算していた作業をRPAで自動化する。

 (2)通勤手当に係る自宅位置地図検索業務(総務事務センター)は、検証の結果、年間434時間要する作業を114時間に短縮し、作業時間の74%を削減できる見込みである。同業務は、職員の申請に基づき、職員の自宅位置をWebで検索して確認する業務。RPAの導入により、Web検索やスクリーンショット保存などの単純作業を自動化する。

 (3)通勤手当確認業務(総務事務センター)は、検証の結果、年間1500時間を要する作業を733時間に短縮し、作業時間を51%削減できる見込みである。同業務は、通勤手当を支給するにあたり、申請された経路がWebなどで検索した最短経路と合致するかを確認する業務。これまで職員が1申請につき200項目を目視で確認していた審査事務にRPAを適用し、データ抽出と突合せの一括確認を自動化する。

 (4)生徒マスタ―の集計業務(教育局財務課)は、検証の結果、年間117時間を要する作業を42時間に短縮し、作業時間を64%削減できる見込みである。同業務は、県立高校から送付された生徒マスタ―などのファイルを文書管理システムで収受し、ファイルの集計・報告を行う業務。合計137校のファイルを個別に収受し、集計する作業をRPAで自動化する。

 (5)会計職員指定簿の集計業務(出納総務課)は、検証の結果、年間80時間を要する作業を30時間に短縮し、作業時間を63%削減できる見込みである。同業務は、県庁の各課所からメールで送付される会計職員指定簿のファイルを集計する業務において、約500課所からのメールを確認し、添付ファイルをダウンロードして一覧を作成する一連の作業をRPAで自動化する。

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