[市場動向]

富士通が新経営体制を発表、新社長に執行役員常務の時田隆仁氏が就任

2019年3月28日(木)田口 潤(IT Leaders編集部) 杉田 悟(IT Leaders編集部)

富士通は2019年3月28日、社長交代をはじめとする幹部人事を内定したと発表した。執行役員常務(グローバルデリバリーグループ長)の時田隆仁氏が、2019年3月28日付で執行役員副社長に就任し、6月24日の株主総会を経て代表取締役社長に就任する。

 現任の代表取締役社長である田中達也氏は代表権のない取締役会長に就く。新しいトップを支える副社長には、主力事業であるテクノロジーソリューション部門長を務める執行役員専務の古田英範氏、執行役員専務で秘書室担当/ゼネラルカウンセル/CISOの安井三也氏がそれぞれ就任する(表1)。

 現社長の田中氏は、この時期の社長交代について報道陣を前に、次のように説明した。 「富士通は(すぐれた)人材や技術を持っている。それをグローバルで戦えるように道筋を作ろうとしてきた。しかし世の中はものすごい勢いで変化している。自分の計画では2022年をゴールとするが、4年先。それよりも、この段階で新しい体制で思い切った実行をしてもらう。それが今だと考えた」

 6月24日より新社長に就く時田氏は、「富士通はサービスオリエンテッドカンパニーを標榜している。そのためにもっと変わる必要があり、それが私に期待されていること。大役に全力で取り組んでいく」と述べた。

 「変わる」とはどういうことか。2人並んで登壇した会見(写真1)で、田中氏、時田氏が共に口にしたのが、「富士通が優秀な人材、技術力を多く抱えながらも、今のサイロ化した組織体制では、これらのパワーを結実して、ユーザーに寄り添うサービスが提供できず、未来を描くのが難しい」ということだ。優秀なリソースを1カ所に集中させることのできる新たな体制作りが、時田氏に課された最優先課題の1つだ。

 時田氏は1962年生まれの56歳。1988年に富士通に入社し、以降、SI部門で金融業界を長年担当してきた。2005年まで保険、その後はメガバンクを担当し、2014年には金融システム事業本部長に就任。地銀や証券取引所などもカバーしながら、富士通の金融業向けソリューション体系である「Finplex」の企画、事業化もリードした。金融向けのシステムエンジニア歴が豊富な一方、オムニチャネルやAPIといったデジタル技術にも関与している。

 2017年4月以降は、富士通の海外事業であるグローバルデリバリーを担当。世界8カ国にサービスデスクやオフショア開発拠点を持ち、海外企業や日本企業の海外展開をITの側面からサポートする部門である。時田氏もこの2年間、英ロンドンに駐在し、「テクノロジーの変遷、デジタル化の凄まじさを経験してきた」(同氏)という。

 組織がサイロ化し、他部門との連携を取ることが難しい富士通にあって、唯一組織の壁を超えて横串を刺すことができたのが、リージョンをまたいだグローバルマトリクス体制を敷く海外事業のデリバリー部門、つまり時田氏が率いてきたグローバルデリバリーグループだ。時田氏は「グローバルデリバリーグループのケイパビリティを、ユーザーに近いところで生かしていきたい」と語った。

写真1:富士通のトップ交代で握手を交わす、代表取締役社長の田中達也氏(左)と新社長に就任する執行役員常務の時田隆仁氏
表1:2019年3月28日付けで発表された富士通の新役員体制(出典:富士通)
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