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[データマネジメント2019]

ツールだけでは実現不可能な“データの民主化”――データマネジメントの実践で押さえておくべきポイントとは?

2019年4月4日(木)

誰もがデータにアクセスし、分析を行えるようにすることで、その価値を全社的に共有可能なものとする「データの民主化」。その実現に向け、多くの企業がBIによるデータ分析や、AIの活用を進めている。だが依然として「ツールを導入したものの、データを活用できていない」「思ったような分析ができず、満足のいく効果が挙げられていない」という声は多々寄せられている。「データマネジメント2019」のセッションでは、リアライズの櫻井崇氏が登壇、データの民主化を促進するデータ分析基盤の構築/運用について、成功事例を交えながら留意すべきポイントが解説された。

データ分析基盤構築の第一歩は目的の明確化にあり

株式会社リアライズ 取締役 櫻井 崇 氏

 「データの民主化」を実現するためのデータ分析基盤をイメージした場合、データレイクを中心に起きつつ、社内の業務系データや外部からのデータ、各種デバイスのログを収集するとともに、それらをデータウェアハウス等の目的別のデータレイクに保管したり、Hadoop処理を行ったり、BI分析に回したりするというケースを思い浮かべる人が多いと思われる。しかし、リアライズ 取締役の櫻井崇氏は、「データ分析基盤の構築に際して、その形態自体は間違いではないが、どういった順番で分析基盤を構築していくかが重要となる」と訴える。

 例えば、既存のデータには、数値の誤りをはじめ、マスターに差異が発生しているなど統一感がなく、見たい情報を正しく見ることができていないケースは少なくない。そうした状況を改善するためにデータ統合基盤を構築しようと舵を切ったものの、既存のデータがどのような状態になっていることを振り返ることをせずに、ツールを先行導入し新しいデータ統合基盤を構築した場合、データ移行の際に失敗するケースが多いのだ。

「データ分析基盤の構築に際しては、まず初めに『何を見たいのか』『何を知りたいのか』『何を改善したいのか』といった、データ活用の目的を明確化する必要があり、そのためにも現場の担当者と一緒に考えることが重要だ」(櫻井氏)

 そして、必要となるデータが社内のどのシステムにあるのかを把握するとともに、データがどのような状態にあるのかを確認しておく。また、データに関するガバナンスやルールが定まっていなければ、規定しておくことも必要となるだろう。これらの工程を経てからにデータレイクを構築し、データの投入を行うことで、データを正しく活用可能な分析基盤を実現できるようになるのだ。

 さらに、運用を開始すればデータの活用方法に関して、見直しが必要となるケースもあるだろう。櫻井氏は、「そこで効果測定を行い、当初掲げた目的に対して思うような成果が得られなかったり改善点が発生したりしているのであれば運用の見直しを行ったり、成功できたのであればその成果を広げていくためにも、さらにデータを追加していくといった対応を行う。これが、データ分析基盤の構築/運用における最適なフローとなる」と説明する。

水がきちんと流れるようにデータの流れを考える

データマネジメントの実践で多大な成果を上げた先進企業の事例

 また、櫻井氏は、「すべてのデータを一気に統合していくのは不可能だ。したがって、まずは効果が見込めるところから小さく初めて、大きく育てることが原理原則となる。また、データ活用を促進していくためには、データマネジメントの実践が不可欠であり、データマネジメントの文化を社内に根付かせることが重要となる」と訴える。

 データマネジメントを推進することで、「見える化の実現」「業務効率化」「顧客満足度の向上」「ビジネス変化への柔軟な対応」といった様々な効果がもたらされる。データマネジメントを根付かせるにあたっては、まずは社内においてこれらの価値を共有していくことが重要であるという。

データマネジメントがもたらす価値

 ここで櫻井氏はデータマネジメントを推進したことで様々な成果を上げることができた企業の事例を紹介。1つは、正しいデータに基づく分析を行ったことで、営業担当者の最適配置を実現したA社の事例である。A社では、自社保有データの他、外部からのデータも活用し自社の市場シェアを分析、その結果に基づいて営業担当者の増強等の施策を進めていたが、思うような成果を得られていなかったという。

 そこで、依頼を受けたリアライズがデータを調査したところ、外部データに多くの重複やノイズがあることが判明。それらの問題を踏まえデータを整備したところ、実際の市場シェアはデータ整備前の数値より倍以上あったことが明らかとなった。その結果に基づき、これまでは40名だった営業体制を15名へと再配置を実施できたという。

「エビデンスがない状態で、勘頼りによる施策を実施しても成果は得られない。これは正確なデータを活用することで、的確な営業戦略を定められた事例である」(櫻井氏)

データ改善により営業体制の配置を40名から15名へ

 続いて櫻井氏は、グローバルマスターの現地法人における最適化を行ったことで、より効果的なマーケティング施策の実施と売り上げ拡大を果たしたB社の事例を紹介した。同社では、海外の本社が顧客データを一元管理、販促活動の支援を行なっている。だが、本社から戻ってくる顧客データには日本特有の住所などの情報が間違って登録されており、DMを送付しても半数が不着となるなど、販促活動に支障が生じていたという。

 そこで、依頼を受けたリアライズがデータの整備を実施した結果、約35%のデータが無効なものであると判明。アクティブなデータに対してのみ販促活動を行うよう最適化を行ったことで、DMの発送や管理に関するコストを半減させると同時に、顧客の購買反応も10倍に増加させられたという。

データ改善によりコスト半減と売り上げ向上に貢献

データマネジメントは終わりなき旅
適切な状態を維持する運用体制の確立が不可欠

 櫻井氏は、「データマネジメントは一筋縄ではいかない“終わりのない旅”であり、適切な状態を維持していけるような運用を確立していかなければならない」と強調する。そのためにもデータ品質向上のための標準ガイドラインの整備をはじめとして、グローバルデータの辞書構築、継続的なデータマネジメントに関する評価の実践、そしてデータマネジメントに関するスキルの定着化などを行っていかなければならないと説明する。

標準ガイドライン及びルール作りの例

「また、データマネジメントの実践に際しては、ツールを導入するだけでなく、体制・役割、ルール・プロセスを定めるとともにデータ活用を行うためのマインドの醸成や教育などの人的要素も考慮しながら、データ統合計画を策定することが重要となる」(櫻井氏)

データ統合計画の策定が重要

 最後に櫻井氏は、「本格的なデジタルトランスフォーメーションの時代を迎える中で、データを制する者がビジネスを制するのは言うまでもない。リアライズはデータ管理ツールの活用をはじめ、データ統合やマスターデータの整備などさまざまな支援を行っているので、データマネジメントに悩んでいる方はぜひ、お声がけいただきたい」と語り、セッションの幕を閉じた。


●お問い合わせ先

株式会社リアライズ
URL:https://www.realize-corp.jp/
TEL:03-6734-9888
E-mail:sales@realize-corp.jp
 

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