日立システムズは2019年4月10日、日本マイクロソフトのクライアントOSについて、Windows 7からWindows 10への移行を支援するサービスを体系化した。全部で10種類のサービスで構成し、移行計画の策定、初期導入作業、セキュリティ対策などを一貫して支援する。サービスの体系化に合わせ、新サービスとして「Windows 10向けセキュリティ運用サービス」も用意した。販売目標は、2021年度末までに累計100億円としている。
Windows 7からWindows 10への移行を支援するサービスを体系化した（記事末の表1）。Windows10に移行する際の計画策定から初期導入作業、移行後に必要となる更新プログラムの配布や、これにともなうネットワークの見直し、セキュリティ対策、ヘルプデスクなどの運用サポートを広くカバーする。
新サービスとして、Windows 10のセキュリティ機能と日立システムズのSOC（セキュリティオペレーションセンター）を活用した、Windows 10向けセキュリティ運用サービスも用意した。PCの異常行動を検知する機能「Windows Defender ATP」が出力するアラート（警報）を日立システムズのSOCから監視し、異常を検知した場合に不審プロセスの停止やネットワークの隔離などを行う。
背景に、2020年1月14日にWindows 7の製品サポートが終了することがある。一方、Windows 10は、WaaS（Windows as a Service）のコンセプトに基づき、機能の改善や追加を行うための大容量更新プログラムを定期的にインストールすることが必要になるなど、運用面に変更がある。
このため、Windows 10への移行に際してはプログラムの動作検証に加え、更新プログラム適用時のネットワーク環境の検証、セキュリティ対策など、移行だけでなく移行後の運用体制やインフラの整備が必要になる。
| サービス区分 | サービス名称 | サービス概要 |
|---|---|---|
| Windows 10向け移行計画サービス | 移行計画策定 | Windows 10導入による影響を、ワークショップを通してユーザーに理解してもらい、検討・課題を整理して移行計画を策定する（アプリケーションの移行は対象外） |
| Windows 10向け初期導入サービス | クライアント設計 | Windows 10に必要な機器の性能、構成、導入後の運用に必要なクライアント環境を設計する |
| 更新プログラム配布環境導入 | 更新プログラムの配布に必要なWSUS、SCCM(の導入環境設計・構築を行う | |
| VDI導入 | Windows 10移行に関してVDI化による移行サービスを提供する | |
| PCキッティング | 既存PCをWindows 10にアップグレードするためのマスター作成、アップグレードの作業を代行する | |
| Windows 10向け運用サービス | PC運用管理サービス | ソフトウェア情報の管理とライセンス監視を実施。更新プログラムの配布前の検証と評価。検証後の更新プログラムの配布と管理を実施する |
| マルチクラウド運用サービス | Windows 10導入時にOffice365などのクラウド利用にともなう監視・運用をサポートする | |
| 仮想ネットワーク提供 | Office 365などのクラウド導入後、性能やセキュリティ等の課題に対して、適切なネットワーク構築を支援する | |
| Windows 10ヘルプデスクサービス | Windows 10全般に対する問い合わせに受付・回答し、管理者の負担を軽減する | |
| Windows 10向けセキュリティ運用サービス | Windows 10のDefender ATPを用いて既知の脅威や未知の攻撃に対しての感染後の検知、対応策、利用者からの問い合わせ対応などセキュリティの運用をサポートする |
