[松岡功が選ぶ“見逃せない”ニュース]

2019年4月の3本:経産省・東証「攻めのIT経営銘柄2019」/NTT Comが担うNTTグループ再編後の役割/DellがVMware環境をAzure上で稼働

2019年5月7日(火)松岡 功(ジャーナリスト)

2019年4月のニュースから松岡功が選んだのは、「経産省・東証が『攻めのIT経営銘柄2019』を発表」「NTT Comが担うNTTグループ再編後の役割」「DellがVMware環境をAzure上で稼働させるサービスを発表」の3本である。“見逃せない”理由と共に、それぞれのニュースのポイントをお伝えする。

経産省・東証が「攻めのIT経営銘柄2019」を発表

 経済産業省は2019年4月23日、東京証券取引所と共同で「攻めのIT経営銘柄2019」の選定企業29社を発表した。東証の上場会社の中から、中長期的な企業価値の向上や競争力の強化などの視点で経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT利活用に取り組んでいる企業を業種区分ごとに選定した。「攻めのIT経営銘柄」の選定は今回で5回目となる。

 今回は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進ガイドライン」に基づき、経営層の強いコミットのもとでDXを推進する企業を高く評価した。

 選定に当たっては、各社におけるIT活用の取り組み実態を評価するため、経産省が東証に上場する全ての企業に対して実施した「攻めのIT経営に関するアンケート調査2019」の回答内容から、図1に示す5つの評価項目と財務状況についてスコアリングした後に、選考委員会の最終選考を経て、最終的に29社を選定した。

図1:「攻めのIT経営銘柄2019」における5つの評価項目(出典:経済産業省の資料)
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 選定企業の社名をはじめ、発表内容の詳細についてはこちらの関連記事をご覧いただきたい(関連記事2025年の崖目前、レガシーから脱却しDXに舵を切る─「攻めのIT経営銘柄2019」選定企業が発表)。

[選定理由]

 タイトル通り、まさしく「攻めのIT経営」を実践している企業の取り組みを知ることができる絶好の機会だからだ。

 筆者がとくに注目するのは、図1に記されている5つの評価項目だ。これらはとりもなおさず、攻めのIT経営を推進するために必要となる要素である。

 少々分かりづらい項目があるので補足しておくと、「企業価値向上のための戦略的IT活用」は、例えば、企業価値向上のためのIT活用の取り組み内容と成果などを指す。また、「攻めのIT経営を支える基盤取組」は、情報セキュリティやシステム基盤整備など。「企業価値向上のためのIT活用の評価」は、実験的なIT投資に関する評価基準や企業価値向上のためのIT活用の評価などを指している。

 経産省のサイトから詳細な資料を入手できるので、ぜひ参考にしていただきたい。

NTT Comが担うNTTグループ再編後の役割

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2019年4月9日、2019年度(2019年4月~2020年3月)の事業戦略について説明会を開き、NTTグループの再編に伴って2019年7月に国内事業会社とグローバル事業会社に分割される動きに伴う方針を明らかにした。

 今回は、同社代表取締役社長の庄司哲也氏がその方針として、NTT Comは7月以降、国内事業会社として存続するとし、「この機を“第二の創業期”ととらえて、新しい企業理念やブランドも見直す」ことを明言した。

 NTTグループ再編の動きを振り返っておく。NTTがグローバル事業の強化に向けて、グループ内の再編を実施すると発表したのは2018年8月。その後、NTT持株会社傘下に新たにグローバル持株会社を設立し、その傘下に、NTT Com、NTTデータ、南アフリカのディメンションデータ(Dimension Data)、NTTセキュリティ、NTT Innovation Institute(NTTi3)の5社を移管した(関連記事NTTグループが組織再編を発表、グローバル持株会社「NTT株式会社」を今秋設立へ)。

 また、NTT Com、ディメンションデータ、NTTセキュリティ、NTTi3の4社については、2019年7月をめどに、国内と海外(グローバル)に分けて事業再編する。東証1部に上場しているNTTデータについては、現在の経営形態のままグループ各社との連携を図り、同社の経営の独立性やブランドを維持するとしている。これら一連の動きを新設の組織も含めて描いたのが、図2である。

図2:NTTグループ再編の動き(出典:NTTコミュニケーションズ)
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