[市場動向]

住宅ローンの審査をAIで、住信SBIネット銀行と日立製作所が合弁会社「Dayta Consulting」設立

2019年5月30日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

住信SBIネット銀行と日立製作所は2019年5月30日、金融機関に向けてAIを活用した審査サービスを提供する合弁会社「Dayta Consulting株式会社(デイタ・コンサルティング)」を設立したと発表した。住宅ローンを対象に、2019年10月から提供開始する予定。今後、カードローンやトランザクション・レンディングなど、対象範囲の拡大を検討する。新会社の資本構成は、住信SBIネット銀行が60%、日立製作所が40%。

 合弁会社のDayta Consulting(記事末の表1)は、地域金融機関をはじめとした金融機関に対して、AIを活用した審査サービスを提供する。住宅ローンなどの審査にAIを活用する(図1)。AI審査モデルによって、個別のローン案件が債務不履行となる確率を算出し、金融機関に提供する。要望に応じて、与信戦略の策定などを支援するコンサルティングサービスも提供する。

図1:AI審査サービスの提供イメージ(出典:日立製作所)図1:AI審査サービスの提供イメージ(出典:日立製作所)

 AIを活用した審査の仕組みとして、発生頻度が低い事象を予測するために、日立製作所の人工知能「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case」(AT/PRC)を使う。これと、住信SBIネット銀行のデータハンドリング技術・ノウハウを組み合わせた。

 AT/PRCの特徴は、正常なデータの学習に加え、偏ったデータや極端なデータに影響を受けないことを訓練する「シグナルノイズ学習」と、予測根拠を定量的に提示するための「影響度算出技術」である。稀な事象の予測や予測根拠の説明が求められる業務に適することから、新規取引顧客の評価、信用度調査、株式の不公正取引審査など、リスク管理業務に向くとしている。

 AT/PRCを開発した背景として、住信SBIネット銀行と日立製作所は、2016年10月から人工知能を活用した審査手法の開発をテーマとする実証実験を重ねてきた。従来のディープラーニング(深層学習)では、データの発生頻度が低いと「ノイズ」に左右されやすく過学習を引き起こす傾向があることや、予測式が複雑であるため予測根拠が「ブラックボックス化」することが課題だった。実証実験を重ねることで、これらを課題を解決する技術としてAT/PRCを開発したとしている。

表1:新会社の概要
商号 Dayta Consulting株式会社
本社所在地 東京都港区
事業内容
  1. AI審査サービス事業
    AI審査モデルで算出した個別ローン案件のPD(債務不履行の確率)を金融機関に提供するサービス
  2. コンサルティングサービス
    AI審査サービスを利用する金融機関に対する与信戦略策定等の支援
設立日 2019年5月30日
代表者 代表取締役社長 直海 知之
資本金 5000万円
株主および持株比率 住信SBIネット銀行60%、日立製作所40%
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住宅ローンの審査をAIで、住信SBIネット銀行と日立製作所が合弁会社「Dayta Consulting」設立住信SBIネット銀行と日立製作所は2019年5月30日、金融機関に向けてAIを活用した審査サービスを提供する合弁会社「Dayta Consulting株式会社(デイタ・コンサルティング)」を設立したと発表した。住宅ローンを対象に、2019年10月から提供開始する予定。今後、カードローンやトランザクション・レンディングなど、対象範囲の拡大を検討する。新会社の資本構成は、住信SBIネット銀行が60%、日立製作所が40%。

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