[市場動向]

パイオニアとArm Treasure Data、交通事故を減らすAIモデルを共同開発

2019年5月30日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

パイオニアは2019年5月30日、英Armのデータビジネス部門であるArm Treasure Dataとの間で、AIを活用して交通事故を減らすことを狙い、AI技術の共同開発契約を締結したと発表した。AIを活用したデータ分析と、行動予測・事故予測モデルの構築で協業する。

 パイオニアは、英Armのデータビジネス部門であるArm Treasure Dataとの間で、AIを活用して交通事故を減らすことを狙い、AI技術の共同開発契約を締結したと発表した。

 共同開発では、各種の交通手段からセンサーデータを収集し、AI技術を活用して事故削減のための行動予測・事故予測モデルを構築する。パイオニアの既販車向け運転支援システム「Intelligent Pilot」を基盤に、デジタル地図データを活用したパイオニアのデータ分析技術と、Arm Treasure Dataのデータ分析に関する知見を組み合わせる。

 パイオニアは、2017年4月から、自動車の運転における予防安全を目指し、既販車向けの安全運転支援システムとして、Intelligent Pilotを提供している。デジタル地図などを活用して事故リスクを予測する機能や、ドライバーごとの潜在的なリスクまで診断するAIスコアリング機能を搭載している。

 Arm Treasure Dataは、顧客データやIoTデータなどを管理できるクラウド型のデータ分析基盤「Arm Treasure Data eCDP」を提供している。これを使うことで、データの収集から分析・活用までが容易になるとしている。

 共同開発の背景についてパイオニアは、2016年に交通事故で死亡した人は世界で135万人に達しており、交通弱者である歩行者や自転車やバイクを運転する人がその半数以上を占めていることを挙げる。「協業では、自動車に限らずモビリティ全体で交通事故の削減を目的としている」(同社)。

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