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ドイツ気象庁、NECのベクトル型スパコン「SX-Aurora TSUBASA」を採用

2019年6月17日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NECは2019年6月17日、ベクトル型スーパーコンピュータ「SX-Aurora TSUBASA」を活用した気象予測システムを、欧州3大気象局の1つであるドイツ気象庁から受注したと発表した。受注したシステム規模は総額62億円であり、欧州最大級の気象予測システムとなる。

 ドイツ気象庁は、短期および長期的な気象および気候現象のモニタリング、分析、予報などの気象気候サービスを提供している。これらのサービスは、航空機や船舶などの交通分野や、エネルギーや通信などのライフライン分野などにおいて、安心安全な運行や運用を実現するために活用されている。

 ドイツ気象庁は、今回導入する新しいシステムを利用して、より精度が高い気象警報および気象予報を行う計画である。これにより例えば、短期間に集中的に降る豪雨を予測し、洪水に備えるなどの対応が可能となる。ドイツ気象庁の責任者は、「雷雨や大雨など局地的な気象状況をより正確に予測することで、地元住民に対して、より早期の警告が可能になる」とコメントしている。

 導入するSX-Aurora TSUBASAは、独自開発のベクトルプロセッサをPCI Expressカードに搭載したスーパーコンピュータである(関連記事NEC、x86とベクトルプロセッサを組み合わせた新型スパコン「SX-Aurora TSUBASA」)。2018年2月から出荷しており、国内および海外で約200システムへ納入している。

 ベクトル型スーパーコンピュータの特徴は、メモリー性能が高いことである。SX-Aurora TSUBASAでは、メモリーのバンド幅はプロセッサ当たり1.2TB/秒になる。大容量データを一括処理する大規模シミュレーションなどの用途に向く。

 OSは、Linuxが動作する。ユーザーから見れば、Linuxが動作する通常のx86サーバーとして使える。アプリケーションも、x86向けに書いたコードをそのまま利用できる。専用のコンパイラ(Fortran、C、C++)で再コンパイルするだけで、ベクトルプロセッサ上で動作するアプリケーションが得られる。

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