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[調査・レポート]

9.6%がAI-OCRを導入済み、手書き文字認識トップは「AIよみと~る」の96.4%―MM総研

2019年7月31日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

MM総研は2019年7月30日、AIを活用した手書き文字認識のAI-OCR(光学文字認識)サービスの利用実態を調査した。抽出した国内企業1000社のうち、9.6%の企業がAI-OCRを導入済みだった。さらに、有力なAI-OCRサービスを実際に操作して手書き文字の認識能力を検証した。NTT東日本の「AIよみと~る」がトップの成績となった。

 MM総研は今回、AI-OCRサービスの利用実態を調査した。オフィス業務の生産性向上に取り組む1000社に対してWebでアンケートを実施したところ、AI-OCRサービスを導入していると回答した国内法人は、全体の9.6%だった(図1)。企業規模が大きいほど導入率が高く、1000人以上の大企業では13.2%が導入済みだった。

図1:AI-OCRサービスを導入していると回答した国内法人は全体の9.6%だった(出典:NM総研)図1:AI-OCRサービスを導入していると回答した国内法人は全体の9.6%だった(出典:MM総研)
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 AI-OCRサービスの導入していない企業に対して、サービスを利用することへの関心を聞くと、51.9%が「利用に関心がある」と回答した。大企業を中心に関心が高く、1000人以上の大企業では、導入済みを含めると72.7%がAI-OCRを利用することに関心がある。

 業種別では、卸売業・小売業や製造業、官公庁など、大量の手書き帳票が発生する業種で、より強い導入意向がみられる。

 一方、導入企業のうち85.7%が「データ作成に要する時間を削減できた」と回答した。82.1%は「ミスの発生率」を、78.6%は「当該業務に必要な人員数」を改善できたと回答した。普及率はまだ低いものの、導入した企業には高い満足度を得ている。

3つのAI-OCRは実用水準に達していた

 今回の調査では、日本市場で広く流通しているAI-OCRサービス3つを実際に使い、手書き文字の認識能力を比べた(図2)。NTT東日本の「AIよみと~る」、Cogent Labsの「tegaki」、ユニメディアの「LAQOOT」の3サービスである。また、比較対象としてAIを使わないOCRを使った。米Googleの「Google ドライブ」、米Adobe Systemsの「Acrobat DC」、富士ゼロックスの「DocuWorks9」の3サービスである。

図2:AI-OCRサービス3つを実際に使い、手書き文字の認識能力を比べた(出典:NM総研)図2:AI-OCRサービス3つを実際に使い、手書き文字の認識能力を比べた(出典:MM総研)
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 検証の結果、3つのAI-OCRサービスは、手書き文字をほぼ正しく読み取り、十分な実用水準に達していることが分かった。手書き文字の入力に必要な作業時間を大幅に縮めることができた。検証に使った3つのサービスの中では、「手書き文字認識率」、「作業時間」の計測結果ともに、NTT東日本「AIよみと~る」が最も高い成績をおさめた。AIよみと~るの識字率は96.4%だった。

 検証方法は、こうだ。手書きで必要事項を記入した3種類の帳票を、100枚ずつ用意し、PDFのデータを作成した。また、100枚中、任意の30枚に対し、意図的に歪みや汚れを与えたデータを作成した。こうして作成した帳票を、AI-OCRサービスに読み取らせた(図3)。

図3:手書き文字の帳票を読み込ませて識字率を検証した(出典:NM総研)図3:手書き文字の帳票を読み込ませて識字率を検証した(出典:MM総研)
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 評価基準には、「手書き文字識字率」と「作業時間」の定量基準、および操作性や視認性などを定性基準に採用した。正しく読み取った文字数の割合を「手書き文字識字率」と定義して測定した。さらに、AIによる文字認識に要した時間と、結果の修正作業に要した時間の合計を「作業時間」の基準として計測した。

 MM総研では、調査検証実験の結果を、30ページのPDFとして公開している。

AI-OCRの潜在需要は大きい

 調査では、非効率な業務として課題に感じている業務を聞いた。全体の51.5%が「データ入力・登録」と回答した。特に、紙帳票やPDFから文字を識別してデータ化する業務は、非効率なだけではなく、具体的な解決策にも乏しいという結果が出た。

 AIを使わない既存技術のOCRは、全体の85.8%が「活用できていない」と回答した。手書き文字やフォントの文字認識能力の低さが理由としてあげられている。調査では、「手書き文字の識字率が低い」という回答が全体の41.6%、「フォントの識字率が低い」が31.8%だった。

 AI-OCRサービスは、オフィス内の非効率業務を解消し、生産性を高める効果が期待できる。MM総研では、今後、AI-OCRサービスの職場での利活用が進み、導入率が高まると判断できる、としている。。

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