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ソルティスター、組み込み用途のデータベース「SpeeDBee」、Raspberry Piで1秒に900万件を処理

2019年8月1日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

ソルティスターは2019年8月1日、IoTセンサーデータをエッジコンピュータで収集してリアルタイムに分析するための組み込み型データベース「SpeeDBee」を発表した。KVS(キーバリューストア)の「SpeeDBee/KVS」と、RDBMSの「SpeeDBee/RDB」がある。SpeeDBee/KVSの性能試験では、Raspberry Pi3上で1秒間に900万件のデータ処理を実現できたとしている。

 SpeeDBeeは、組み込み用途に向いたデータベースエンジンである。IoTデバイスを接続したエッジコンピュータで動作させることで、IoTデバイスに近い場所で高速かつリアルタイムにデータを処理・分析できる。Windows/Linuxのほか、μITRON、T-Kernel、VxWorksなどの組み込み用途向けOS上で動作する(図1)。

図1:SpeeDBeeの概要(出典:ソルティスター)図1:SpeeDBeeの概要(出典:ソルティスター)
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 特に、KVS(キーバリューストア)型のSpeeDBee/KVSは、高速処理をうたっている(記事末の表1)。センサーから高速に送られてくるデータを取りこぼさずに収集し、メモリー上でリアルタイムに処理できる。Raspberry Pi3上でSpeeDBee/KVSを動作させてデータを登録した性能試験では、1件単位の登録で1秒間に60万件、20件単位の登録では1秒間に900万件を超えるデータを処理できた。

 時系列データベースを構築する機能を備える。高速から低速まで、異なるサンプリングレートのデータを一元的に管理できる。タイムスタンプ機能、指定した時間範囲やサンプリングレートでデータを取得する機能、指定時間枠(または件数枠)のリアルタイム分析機能、などを利用できる。

 24時間365日の可用性を確保する機能として、リングバッファ機能を備えた。データベースの肥大化を防ぐため、リソースサイズを指定して、古いデータを自動で削除する機能である。また、トランザクションを保証する機能を持つため、電源の遮断があっても自動で復旧する。これにより、データベースの24時間365日の連続稼働が可能としている。

 外部システム連携やデバイス接続のための入出力ソフトウェアをカスタマイズできる仕組みを備える。例えば、カスタマイズによってデータベースへのI/O速度を最適化すれば、更新処理あるいは検索処理の性能を改善できる。また、I/Oに関わるデータ暗号化やアクセス制限などの設定もできる。

 別途、データ連携ミドルウェア「SALTYSTER」を使うことで、AWSやAzureなどのクラウドサービス、各種データベース(RDBやKVS)、既存システムなどと連携できる。これにより、既存システムを活用したシステム構築も可能になる。

 SpeeDBeeの価格(税別)は、開発ライセンスが30万円、実行ライセンスが1本あたり年額5万円。サポート費用は1拠点あたり年額19万8000円。

表1:SpeeDBee/KVSの概要
フットプリント 50Kバイト~350Kバイト
データモデル KVS(キーバリューストア)型
KEYデータ型 ログ型(タイムスタンプ+8バイト)、整数(1/2/4/8バイト)、浮動小数(4/8バイト)、文字列(1~256バイト)、日付、日時、タイムスタンプ
最大レコード数 無制限またはリング機能(件数指定/サイズ指定)
文字コード UTF-8/16、EUC、S-JIS
稼働OS Windows7/8/10、WindowsEmbedded、WindowsCE、Linux、μITRON、T-Engine/T-Kernel、VxWorks、Non-OS
インデックス B-TREE、N-GRAM(全文検索)、Z-Ordering(空間検索)、K-TREE(絞り込み検索)
エンディアン Little/Big対応
データ共有 マルチプロセス、マルチスレッド
クラウド連携 IoT向けデータアップローダーでサポート
RDBMS連携 IoT向けデータアップローダーでサポート(MongoDB、PostgreSQLサポート)
サポートCPU 32ビット、64ビット各種CPUに対応
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RDBMS / KVS / 組み込み / Raspberry Pi

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