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ラック、ID/パスワードをシステムから外出しして一元管理するソフト「HashiCorp Vault」を販売

2019年8月7日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

セキュリティベンダーのラックは2019年8月7日、情報システムにログインするためのシークレット情報(ID/パスワードなど)を安全に一元管理するサーバーソフトウェア「Vault」(米HashiCorp製)の販売を開始した。ラックは国内で6社目の販売代理店となるが、ユーザー企業のシステムを構築するSIベンダーとしてはラックが国内で初めてHashiCorp製品を販売する。

写真1:HashiCorp JapanでJapan RegionのSales Directorを務める奥るみ氏写真1:HashiCorp JapanでJapan RegionのSales Directorを務める奥るみ氏
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 米HashiCorp(日本法人はHashiCorp Japan)のVaultは、情報システムにアクセスする際に必要となるシークレット情報(ID/パスワードなど)をネットワーク上で一元的に管理するサーバーソフトである。シークレット情報をキー・バリュー型で暗号化して保存・管理する。クライアントアプリケーションがサーバーアプリケーションにアクセスする際に、ID/パスワードなどを自前で記録・記憶していなくても、Vaultに問い合わせることでID/パスワードなどを得られる。

 ID/パスワードなどのシークレット情報を管理する機能、すなわち、シークレット情報を発行、配付、更新、無効化する機能を提供する。複数の情報システムにおいて、「ID/パスワードを使えるのは誰なのか」、「ID/パスワードを誰が使っているのか」、「ID/パスワードをどのくらいの周期で更新しているのか」――、などを一元的に管理できる。また、アプリケーションが利用するデータを暗号化/復号する機能も提供する。

 Vaultを導入することによって、ID/パスワードなどの管理機能を情報システムから外出しできる(図1)。これにより、管理台帳の盗難やマルウェアの活動などによってID/パスワードが外部に漏洩してしまう事故を防止できる。また、アプリケーションのソースコードや設定ファイルにID/パスワードを埋め込んで運用しているためにID/パスワードが流出してしまう事故を防止できる。

図1:Vaultの概要。機密情報をユーザー(ID管理者)に代わって一元管理する(出典:ラック)図1:Vaultの概要。機密情報をユーザー(ID管理者)に代わって一元管理する(出典:ラック)
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 期限付きのID/パスワードも発行できる。有効期限が切れたID/パスワードでサーバーにログインしようとしても失敗するようにできる。有効期限が切れていれば、ID/パスワードが書かれたログデータが漏洩してもサーバーにはログインできない。Vaultは、自身が管理しているID/パスワードの有効期限が切れた場合、該当するサーバーにアクセスしてID/パスワード情報を書き換える。

 サーバーにアクセスして認証を受けるクライアントアプリケーションは、REST APIを介してVaultに問い合わせる。Vaultから、サーバーにアクセス可能なID/パスワード情報を取得し、サーバーにアクセスする。有効期限が切れている場合は、新たなID/パスワード情報をVaultから取得する形になる。また、REST API以外の手段として、GUI画面を使って対話型にVaultを操作することもできる。

 HashiCorp JapanでJapan RegionのSales Directorを務める奥るみ氏(写真1)は、Vaultの導入によって解決できる、よくあるインシデントを3つ指摘する。1つは、GitHubで公開するなど、誤って、または第三者の故意でインターネットにシークレット情報が漏洩すること。1つは、証明書の有効期限切れ。現実問題として、数年~10年間などの、推奨値からかけ離れた期間で運用するケースもある。1つは、協力会社の複数のエンジニア向けに単一のシークレット情報を使いまわすなどにより、漏洩時にトラッキングできないことである。

 ラックによる販売価格(税別)は、例として50クライアントでリクエスト数が月間15万件の場合、年額1000万~1300万円程度である。ラックによる販売目標は、2020年3月までに3社。まずはライセンスの販売から始めて、2019年10からはVaultの導入コンサルティングサービスとシステム構築サービスを開始する。ラックは国内で6社目の販売代理店となるが、ユーザー企業のシステムを構築するSIベンダーとしてはラックが国内で初めてHashiCorp製品を販売する(写真2)。

写真2:左から、ラックでSIS事業統括部ソリューション開発部に所属する鈴木真人氏、ラックで常務執行役員最高技術責任者を務める倉持浩明氏、米HashiCorpでAPJチャネルディレクタを務めるBrendon Thwaites(ブレンドン・トワイツ)氏、HashiCorp JapanでJapan RegionのSales Directorを務める奥るみ氏写真2:左から、ラックでSIS事業統括部ソリューション開発部に所属する鈴木真人氏、ラックで常務執行役員最高技術責任者を務める倉持浩明氏、米HashiCorpでAPJチャネルディレクタを務めるBrendon Thwaites(ブレンドン・トワイツ)氏、HashiCorp JapanでJapan RegionのSales Directorを務める奥るみ氏
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