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武田薬品、VRを活用して無菌室内の操作をトレーニングするシステムを導入

2019年8月30日(金)IT Leaders編集部

武田薬品工業は、感染症ワクチンの製造工程における無菌操作のトレーニングに、VR(仮想現実)を活用する。NECとNECソリューションイノベータが提供するVRシステム「法人VRソリューション」を導入した。2019年9月から利用を開始する。NECとNECソリューションイノベータは2019年8月29日に発表した。

 近年、ワクチン製造においては、様々なテクノロジーが導入され、多くのプロセスの自動化が図られている。しかし、人の手作業に頼らざるを得ない繊細かつ慎重さを要するプロセスも未だに存在している。これらの製造作業においては、ワクチンに関する知識に加え、正しい無菌操作の習得が必要になる。このため、人材育成には多くの時間を要している。

 武田薬品では、これらの理由から、これまでワクチン製造に関わる人材の確保と、その人材育成およびトレーニング時間の確保が課題となっていた。加えて、トレーニングはワクチンの製造場所である無菌室内で行うため、ワクチンの製造中は無菌室をトレーニングに使用できず、ワクチンの製造と人材育成の両立が求められていた。

 本VRトレーニングでは、無菌室内の設備である安全キャビネットや細胞培養に使用する細胞培養用フラスコ、電動ピペッターといった専用の器具を用いた無菌操作を仮想空間内に再現し、製造時の遵守事項を仮想空間内で体感学習できる(図1)。

図1:VRトレーニングのイメージ(出典:武田薬品工業)図1:VRトレーニングのイメージ(出典:武田薬品工業)
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 培養細胞や培養液、ボトル・細胞培養用フラスコ・ピペットといった器具と作業者の手の位置・角度・接触などの状態から「(無菌操作に好ましくない)コンタミネーションリスクの高い操作」を抽出して作業の正確さをチェックする。これらのチェックポイントは、人間工学に基づいた遵守事項に抵触する行為を、NECソリューションイノベータが体系化したものである。本VRトレーニングでは、20種の遵守事項に抵触する全260ケースを検出し、コンタミネーションリスクとなる部位や原因の説明、適切な対処方法や回避方法を作業者に提示する。

 VR空間で実環境を再現できることで、製造トレーニングの場所・時間の制約がなくなっただけでなく、指導者がいなくても訓練者自身で無菌操作の作業中の遵守事項を確認できる。これまで熟練者が経験に基づいて判断していた部分をVRトレーニングの遵守事項に反映させることにより、客観的にトレーニングの効果を測定することが可能となった。さらに、トレーニング時に用いる溶液や資材についても、VRトレーニングにより廃棄量を減らすことができる。

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