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日本テラデータ、データ分析基盤「Vantage」をAWS/Azure/GCPのマルチクラウドで提供、従量課金モデルも開始

2019年11月20日(水)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本テラデータは2019年11月20日、説明会を開き、同社のデータ分析プラットフォーム「Teradata Vantage」における6つの新サービスについて説明した。Vantageの稼働環境の選択肢としてGCP(Google Cloud Platform)を選べるようにしたこと、テスト用途などを想定した従量課金型のライセンスモデル、現場の担当者がコードを書くことなくGUI操作だけでマシンラーニング(機械学習)などを扱えるデータ分析フロントエンドなどである。

 米テラデータ(Teradata)はここ数年、ユーザー層を拡大するため、大きく2つのアプローチをとってきた。1つは製品のカバー範囲の拡大である。データウェアハウス(DWH)を中心としたデータマネジメント基盤からデータアナリティクス基盤へと軸足を移した。もう1つはソフトウェアの利用環境の拡大で、クラウドサービス化とサブスクリプション化を推し進めてきた。

 カバー範囲については、かつてはDWH用途のRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)に注力していたが、現在では、SQLに加えてグラフ分析やマシンラーニング(機械学習)の分析エンジンを統合し、データ分析フロントエンドを含めたデータ分析基盤「Teradata Vantage」として提供している(関連記事「膨大なデータを死蔵させず、ビジネスの原動力に」─テラデータがVantageアナリティクス基盤の機能強化を紹介)。

写真1:日本テラデータで代表取締役社長を務める高橋倫二氏写真1:日本テラデータで代表取締役社長を務める高橋倫二氏
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 説明会では、日本テラデータ代表取締役社長の高橋倫二氏(写真1)が、日本市場でのビジネス概況を紹介した(関連記事日本テラデータが分析基盤ソフト「Teradata Vantage」を提供、データ分析のサイロ化を解消)。

 Teradata Vantageのユーザー数は2桁になり、サブスクリプション型ライセンスへの移行も順調に進んでいるという。「ほとんどのユーザーがサブスクリプション型への移行を完了している」(高橋氏)。

 高橋氏は、Teradata Vantageを用いたデータ分析の国内事例として、日野自動車を紹介した。トラックからセンサーデータを収集して分析し、故障を予測した上で点検・整備につなげている事例である。狙いは、想定外の修理が発生することによってトラックの稼働時間が減ることを避けるというもの。

AWS/Azure/GCP上でVantageを提供、従量課金モデルも

 6つの新サービスも紹介した。(1)GCP上でソフトウェアを提供する「Vantage on Google Cloud Platform」、(2)従量課金型ライセンス「Consumption(Pay-as-You-Go) Pricing)」、(3)オブジェクトストレージ上のデータを分析できる機能「Native Support for Low-Cost Storage」、(4)Hadoopからの移行支援サービス「Hadoop Migration Service」、(5)現場向けのデータ分析フロントエンド「Vantage Analyst」、(6)顧客データ分析基盤「Vantage Customer Experience」である。

 (1)のVantage on Google Cloud Platform(GCP)は、Teradata Vantageを、パブリッククラウドのGCP上で提供するサービスである。2020年に提供を開始する。これまで提供してきたAWS(Amazon Web Services)とMicrosoft Azureに加えてGCPも利用できるようにした。ユーザーから見ると、稼働環境となるパブリッククラウドの選択肢が増える。

 (2)のConsumption(Pay-as-You-Go) Pricingは、新たに導入するライセンスの価格体系であり、利用した分だけ支払う従量課金型モデルを採用している。2020年第1四半期に開始する。ミリ秒単位のCPU使用率と格納データ量で課金する。ユーザーは、ダッシュボードを介して利用実績を把握できる。しきい値を設定して使い過ぎを防ぐこともできる。

 (3)のNative Support for Low-Cost Storageは、Teradata Vantageを通して、パブリッククラウドのオブジェクトストレージ上に格納したデータを直接分析できるようにする機能である。オブジェクトストレージとしてまずは、Amazon S3とAzure Blob Storageを利用できる。その後、Google Cloud Storageも利用できるようにする予定である。

 (4)のHadoop Migration Serviceは、データ格納・分析基盤ソフトであるHadoopからの移行サービスである。アセスメント(現状のHadoop環境を調査・評価)、プランニング(マイグレーション計画の立案)、インプリメント(実際の移行)の3つのサービスで構成する。すでに国内を含めたグローバルで提供を開始している。

●Next:コーディングレスのマシンラーニング活用を支援する新フロントエンド

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