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[市場動向]

PFN、ディープラーニングライブラリ「Chainer」の開発を終了、「PyTorch」の開発に参加

2019年12月6日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

Preferred Networks(PFN)は2019年12月5日、ディープラーニング(深層学習)のライブラリ「Chainer」(チェイナー)の開発をストップし、今後はライブラリ「PyTorch」(パイトーチ)の開発に参加すると発表した。Chainerは、同日発表した新版(v7)をもってメンテナンスフェーズに移行する。

 PFNはこれまで、ディープラーニング(深層学習)のライブラリ「Chainer」(チェイナー)を開発し、オープンソースとして公開してきた(関連記事PFN、ディープラーニング(深層学習)フレームワーク新版「Chainer v6」を公開、C++版も統合図1)。今回、Chainerの新規開発をストップし、ディープラーニングの研究開発基盤をPyTorchに移行することにした。PyTorchは、ディープラーニングの学術論文に最も頻繁に用いられているライブラリの1つである。

図1:Chainerのロゴ(出典:Preferred Networks)

 研究開発基盤をPyTorchに移行することで、既存のChainer資産を活用しつつ、最新の研究成果を効率的に取りこむなどして、自らの研究開発を加速できるとしている。今後PFNは、米FacebookのPyTorch開発チームやオープンソースコミュニティと密接に連携しながら、PyTorchの開発に貢献する。さらに、自社開発のディープラーニング専用プロセッサ「MN-Core」のPyTorchサポートを推進する。

 開発基盤をChainerからPyTorchに移行する背景について同社は、ディープラーニングのライブラリはすでに成熟していることを挙げる。「細かい差異による差別化競争を継続するよりも、コミュニティを継続的に発展させ、健全なエコシステムを築いていくことが重要になっている」としている。

 なお、PFNが開発提供するそのほかのオープンソースソフトウェア(CuPy、Optuna)については、今後も積極的に開発を続けていく予定である。CuPy(クーパイ)は、汎用配列計算ライブラリ。Optuna(オプチュナ)は、ディープラーニングにおけるアルゴリズムの挙動を制御するハイパーパラメータを自動で調整するライブラリである(関連記事PFN、深層学習のハイパーパラメータを自動調整するフレームワーク「Optuna」β版を公開)。

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Preferred Networks / ディープラーニング / PyTorch / ライブラリ / MN-Core / データサイエンス

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