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[新製品・サービス]

NEC、株式取引における見せ玉や仮装売買などの不正をAIで検出するクラウドサービス

2019年12月26日(木)IT Leaders編集部

NECは2019年12月25日、AI技術を活用し、証券・銀行・保険などの金融取引におけるリスク・不正対策業務の効率化・高度化を可能するサービスを順次販売すると発表した。証券業界向けに、不公正取引の審査業務を支援するクラウドサービス「NEC AI売買審査支援サービス」の提供を開始した。SBI証券による採用が決定しており、運用を2020年1月に開始する予定だ。

 NEC AI売買審査支援サービスは、株式取引における見せ玉や仮装売買などの不公正取引度合をAIが高精度に検出し、その判定理由も出力するサービスである(図1)。クラウド型で提供する。審査担当者が従来人手で行っていた株式取引の審査業務を効率化でき、審査担当者はより複雑かつ高度な不正手口の調査・分析に取り組むことが可能になる。

図1:「NEC AI売買審査支援サービス」の利用イメージ(出典:NEC)図1:「NEC AI売買審査支援サービス」の利用イメージ(出典:NEC)
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 ディープラーニング(深層学習)を活用してデータを予測する「RAPID機械学習技術」と、分析結果の根拠を可視化できる「異種混合学習技術」を活用している。なお、異種混合学習技術は、ビッグデータに混在するデータ同士の関連性から、多数の規則性を自動で発見し、分析するデータに応じて参照する規則を自動で切り替える技術である。

 まず、RAPID機械学習技術を活用し、すべての取引データを対象に不公正取引の可能性を高精度にスコアリングする。これにより、従来1件1件手作業で審査担当者が調査・分析していた売買取引の最終審査を支援し、審査業務の効率化・高度化を図れる。

 さらに、異種混合学習技術を活用し、膨大なデータに混在する多数の規則性を発見する。高精度の予測が可能なうえ、分析結果の根拠まで説明できる。スコアリングなどの分析結果以外にも、不正と判断した根拠も導き出せる。

 約495万の証券総合口座数を有するSBI証券の審査ノウハウと、NECのデータサイエンティストのノウハウに基づいたAI予測モデルを採用している。また、AWS(Amazon Web Services)上で分析を行うことで、既存システムの環境に捉われず、短期間かつ効率的にサービスの導入が可能だ。

 背景として同社は、近年、デジタル技術を用いた様々な金融サービスが創出されており、金融取引の高度化が進んでいることを挙げている。「一方で、金融サービス提供者は、複雑化・巧妙化する不正取引対策のため、膨大な情報のなかから一定の基準に基づいて不正の疑いのある取引を調査・分析している。しかし、人材不足や審査業務の属人化、高齢化などが課題になっている」(同社)。

 NECは今後、インサイダー取引審査への対応といった機能拡充なども実施していく考えだ。

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NEC / 金融 / 不正防止 / 株式 / 証券

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