[市場動向]

東大発AIベンチャー、AIを使った自動搬送ロボットを開発、センサーで障害物を認識・回避

2019年12月27日(金)IT Leaders編集部

東京大学の学生らが設立したAIベンチャーのTRUST SMITHは2019年12月26日、東京大学に所属する開発者が研究開発した技術を応用し、AIを使った自動搬送ロボットの開発に成功したと発表した。工場・病院などの施設の搬送作業で、省力化や人手不足の解消が可能になる。

 TRUST SMITHが開発した自動搬送ロボットは、ロボット自身が前後左右や路面の凹凸・段差などを検知して、目的とする場所まで自律走行し移動するタイプの物流ロボットである(写真1)。作業者が荷物を積載すると、荷物をロボットが自動で運搬する。作業者の移動量を低減でき、搬送作業の生産性向上を図れる。

写真1:AIを使った自動搬送ロボットの作業風景(出典:TRUST SMITH)写真1:AIを使った自動搬送ロボットの作業風景(出典:TRUST SMITH)
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 無人で荷物を運ぶロボットとして、以前から「AGV(Automated guided vehicle:無人搬送車)」と呼ばれる搬送ロボットが存在している。自動運転車の一種で、人間が運転操作を行わなずとも自動で走行できる。これら従来のAGVは、磁気テープや磁気棒などのガイドをあらかじめ施設の床下に埋め込むことで、施設内の決められたルートのみを走行する。

 一方、TRUST SMITHが開発した自動搬送ロボットは、センサーにより空間の障害物などを認識・回避しながら施設内を自由に走行できる。このため、走行経路上に想定外の障害物などが置かれていたり、歩く作業員がいたりしても、自動で安全に回避し、目的地まで到達できる。移動する人々なども自動で回避しながら走行できるため、作業員との協働作業が可能になる。

 CAD(コンピュータによるデザイン)データを用いて地図内に目的地を設定すれば、その場所まで自動で向かわせることができる。タブレットを用いて直感的に操作できるため、現場での教育コストも抑えられる。

 従来のAGVは、施設への導入時にガイドなどのインフラ整備といった大規模な設備変更が必要だった。TRUST SMITHの自動搬送ロボットは、既存設備やオペレーションの変更が不要なため、施設のダウンタイムを発生させずに、迅速に導入可能だ。

 また、1台から試験的に導入することが可能で、設備変更にともなう大きな初期費用も不要だ。リスクを抑えながら効果を検証でき、その後、施設の状況に合わせてロボットの台数を柔軟に調整していくこともできる。

 なお、TRUST SMITHは2019年11月、AIを使った障害物回避型アームのアルゴリズム開発に成功したと発表している。この技術は、空間内に存在する障害物をアームロボットが自動で回避し、目的物へアプローチすることができるものである。この技術を実装したアームロボットを工場に導入すれば、これまで手作業で行っていたピックアップ作業を自動で行うことが可能だ。

 今回発表した自動搬送ロボットは、この障害物回避型アームロボットと併用して施設内に導入することができる。従来、搬送ロボットとアームロボットを同時に施設に導入する場合、両機体が稼働中に互いに衝突しないよう、動作を相互連携させた複雑なシステムを組み込む必要があった。自動回避が可能なTRUST SMITHの機体の場合は、アームロボットの動作システムと運搬ロボットの動作システムが独立していても、互いに衝突することなく協働することができる。

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