[調査・レポート]

中堅・中小企業は「SoE機能を備えたERP」に導入意欲─ノークリサーチ

2020年1月9日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

市場調査会社のノークリサーチは2020年1月9日、中堅・中小企業と大企業による業務アプリケーションの活用方法の違いについて、見解を発表した。例えば、大企業はERPとは別にSoE(Systems of Engagement)システムを構築しているが、中堅・中小企業向けのERPはSoEも包含している。これらの見解は、同社が2019年に発行した複数の調査レポートをベースに読み取ったものである。

 業務アプリケーションに関する投資や施策において、大企業と中堅・中小企業とではビジネスを取り巻く背景や既存のシステム環境においてかなりの違いがある(関連記事「2025年の崖」の警告先は大企業だけ? 中堅企業はデジタルの時代をどうサバイブするか)。

 ノークリサーチは、今回、ERP製品市場における両者の違いについて調査・分析結果と共に見解をまとめている(調査設計・分析:同社シニアアナリスト 岩上由高氏)。同社によると、業務アプリケーションのうち、ERP(統合基幹システム)製品においては、中堅・中小企業が導入している製品と、大企業が導入している製品には、明確な違いがあるという。中小企業が導入するERPは、SoE(Systems of Engagement:“繋がり”のためのシステム)やSoI(Systems of Insight:知見のためのシステム)の役割を担うことができる。一方、大企業はERPとは別のシステムを導入してSoEやSoIを実現する傾向があるとしている。

 企業規模によって、導入するERPは異なっている。図1は、年商500億円未満の中堅・中小企業に対して「導入済みのERP(複数回答可)」を尋ねた結果を、2018年と2019年で比較したものである(関連記事「中堅中小向けERPには機能統合・多機能化のニーズがある」─ノークリサーチ)。

図1:中堅・中小企業が導入しているERP(出典:ノークリサーチ)図1:中堅・中小企業が導入しているERP(出典:ノークリサーチ)
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 図1によると、「SAP ERP」や「Oracle Fusion Applications」などの、大企業で導入社数シェアの高いERP製品の数値が減少する一方で、「SMILE」、「GLOVIA smart/iZ/SUMMIT」、「奉行V ERP」、「Microsoft Dynamics AX/365」といった中堅・中小企業向けに注力するERP製品のシェアが増えている。

 大企業では、ERPの導入が早期に進み、個別カスタマイズも多く実施してきた。この代償として、柔軟性を失った。結果として、SoEやSoIの役割を担うことが難しくなったとノークリサーチでは見ている。一方、中堅・中小企業向けのERP製品は、2016年から2018年にかけて製品の刷新を実施しており、SoEやSoIをカバーする機能を強化してきたという。

 例として、SMILEシリーズの場合、新版「SMILE V」においてRPA機能を搭載したほか、情報系アプリケーションの統合を進めたことを挙げる。Microsoft Dynamics AX/365の場合、刷新後のMicrosoft Dynamics 365においてCRM(顧客関係管理)との統合を実現した。この他の製品も、APIの整備や、プログラミングをせずに項目や画面を追加/変更できる仕組みなどを強化してきたという。

 ノークリサーチによると、ERPにSoE/SoIを担わせるかどうかの認識の違いが生じる境界線は、年商100億円である。図1を見ると、年商50~100億円ではERPの導入が増えているのに対し、年商100~300億円未満では減っている。ERPにSoE/SoIを担わたい企業が、これらの機能を備えたERPを導入している。

●Next:RPAツール以外にもある業務自動化の手段

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