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QUICK、AIを活用して有価証券報告書などから必要情報を自動で抽出、2020年5月から運用

2020年3月3日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

情報配信サービス会社のQUICKは、有価証券報告書などの開示書類から必要な情報を自動で抽出するAIシステムを導入した。2020年5月から運用する。これまで人手で実施していた解析業務を効率化する。AI技術を提供した日立製作所が2020年3月3日に発表した。

 QUICKは、証券・金融機関や個人投資家などに対して、国内外の市況や社会情勢などのマーケット情報を配信している。企業情報の多くは、有価証券届出書や有価証券報告書といった開示書類の記述情報を基にしている。

 現状では、 毎月1000件以上の開示書類を、専任の担当者が目視で確認し、人手でデータベースを更新している。こうした背景から、業務の効率化と高付加価値なサービスの提供に向け、業務のシステム化を検討してきた。

 今回、開示書類から必要な情報を自動で抽出するAIシステムを導入した。2020年5月から、投資信託の有価証券届出書と、株式の有価証券報告書を対象に、運用を始める。その後、債券発行登録追補書類など対象書類を順次拡大する。

 今回適用するAI技術は、大量のテキストデータを解析し、賛否が分かれる議題に対して、賛成・反対の根拠や理由を提示する「ディベート型AI」のコア技術として開発してきたもの。日本語の文法構造に基づいて単語間の関係性を抽出する「関係抽出技術」と、表構造を自動で認識する「表構造解析技術」で構成する(記事末の図1)。

 例えば、「決算日」に相当する情報を抽出する場合、一般的な検索エンジンでは、該当する情報を適切に抽出することは困難である。一方、今回の技術は、文章の文法構造や表の構造から、目的の情報であるか否かを判定できる。人間が文章を読んで理解した上で対象データを抽出する業務に適用できる。

図1:QUICKが運用を開始するAIシステムの概要。開示書類から必要な情報を自動で抽出する(出典:日立製作所)図1:QUICKが運用を開始するAIシステムの概要。開示書類から必要な情報を自動で抽出する(出典:日立製作所)
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