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[調査・レポート]

40.4%はテレワークができる環境にあっても活用せず─Backlog提供元のヌーラボ

2020年3月30日(月)IT Leaders編集部

チームのコラボレーションを促進するツール「Backlog(バックログ)」「Cacoo(カクー)」「Typetalk(タイプトーク)」を運営するヌーラボは2020年3月26日、プロジェクト管理ツールのBacklogの利用者を中心とした688人(有効回答数462人)を対象に、新型コロナウイルス感染症にともなったテレワークの導入に関する調査を実施したと発表した。テレワークを許可されても、約40%が活用しておらず、導入が進まない実情が明らかになった。

 ヌーラボは、新型コロナウイルス感染症に関連したテレワーク導入に関する調査を実施した。この結果、IT・インターネット業界で就業する回答者について、2020年2月の期間中にテレワークを活用した人は全体の35.3%にとどまった。また、テレワークができる環境にあっても活用しなかった人が40.4%いた。

図1:テレワークを許可されても活用しなかった理由の約9割は、「業務が滞る現状がある」というものだった(出典:ヌーラボ)図1:テレワークを許可されても活用しなかった理由の約9割は、「業務が滞る現状がある」というものだった(出典:ヌーラボ)
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 テレワークを活用しなかった理由として最も多く挙げられているのは、「出社しないとできない業務があるから(66.7%)」だった(図1)。テレワークの許可が降りている企業でも、「社内規程が未整備であることを理由に無給扱いになる」、「会社として推奨していると公言してるが実際にはできない」など、環境整備の面でネガティブな声も挙がった。

 新型コロナウイルス感染症の流行が本格化した2020年2月の1カ月の間にテレワークを活用したかどうかを質問したところ、活用した人は全体の35.3%にとどまった。同調査はIT・インターネット業界で就業する利用者の回答を分析したものだが、IT業界であってもテレワークが進んでいない様子が伺えたとしている。

 新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、会社からテレワークに関する指示はあったかという質問に対しては、33.8%が以前から許可されていた、23.4%が今回をきっかけに許可された、23.8%が許可されなかったと回答した。

 19%の「その他」の結果を分析したところ、大半が「今回をきっかけに一部職種のみ許可された」、「今回をきっかけに検討が開始された」、「テレワークに関する言及が一切されなかった」という回答だったことから、その他を含めると、全体の4割以上がテレワークを許可されていないことが分かった。

 また、前述のアンケートのなかで「以前からテレワークを導入していた」、「今回をきっかけに許可された」と答えた人のなかでも40.4%はテレワークを活用しなかったとの結果になった。テレワークが許可されている企業であっても、実際にはテレワークが活用されていない、もしくはできない状況であることが分かった。

 テレワークが導入しやすいと予想されるIT・インターネット業界で就業する回答者に限っても、66.7%が出社しないとできない業務がある、22.2%がPCが1人1台ない、または持出禁止と回答し、テレワークを実施すると業務が滞る現状がある。PCなどのインフラ環境があっても、業務フローそのもののIT化が遅れている会社があると見られる。

 「テレワークは無給扱いになると通達があった」、「規程がないため労働時間にはならないと通達があった」、「派遣社員のテレワークが許可されていなかった」、「推奨していると会社は公表しているは実際にはできなかった」、「請求書など、紙文化が残っているため対応できなかった」という回答も見られた。ヌーラボは、テレワークが浸透しない企業の裏には、企業側の環境整備や規程整備の遅れがあることが伺える、としている。

 調査の概要は、実施期間が2020年3月3日~2020年3月13日で、対象はBacklogの利用者もしくはBacklogのSNSフォロワーである。668名が回答し、そのうちIT・インターネット業界に所属する462名の回答を対象に分析した。調査手法はインターネット調査だ。なお、調査結果はBacklog総研が調べた。

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