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大阪府がRPA導入を検証、府職員の業務を年間1788時間削減

2020年4月1日(水)IT Leaders編集部

大阪府は職員の仕事の負担軽減を目的にRPA導入の実証実験を実施し、2020年3月25日にその結果を公開した。職員の作業をRPAが代替したことで、全業務合計で1788.8時間(年間換算)の業務時間の削減が実現できたとしている。

 大阪府は職員の仕事の負担軽減を図る目的で、2018年度にRPA導入の実証実験を実施した。その結果を踏まえて2019年度、実際の運用を通じたRPA試行導入事業を実施、今回その結果を取りまとめて報告した。

 実証実験の実施期間は2019年5月27日から2020年3月31日まで。使用したRPAツールはUiPathで、オプテージと伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)によるOPTAGE・CTC大阪府RPA試行導入事業支援コンソーシアムが導入支援を行った。

 導入にあたっては、繰り返し行う定型的な作業を中心に、各業務担当者へのヒアリングなどを実施したうえで、時間外集計報告業務、支援学校宛通知業務など7業務を対象業務として選定した。

 対象業務のフローやPC上の作業を分析してRPAを導入、作業を自動化した。実際に導入できたのは7業務中5業務で、各業務では職員自らがRPAロボットを作成して自動化を行った。RAPを導入する前後の作業時間を比較し、業務効率化の可否や程度を検証したうえでRPAの導入や利用に伴う課題を洗い出した。

 RPAの導入により、全業務合計で1788.8時間の業務時間を削減できた(年間換算)(表1)。加えて作業品質の向上、人為的ミスの防止にもつながった。そのほか、本格的なシステムを導入することなく業務を効率化できた、PC上の作業手順をデータとして記録することで業務引継ぎの円滑化につながったといった効果も得られたとしている。

表1:対象業務別削減時間(年換算)
対象業務 削減時間(時間/年)
(1)時間外集計報告業務 791.6
(2)支援学校宛通知業務 16.4
(3)医療費支給審査事務 888.0
(4)予防接種実施状況照会事務 52.8
(5)決算統計に係る業務 40.0
小計 1788.8

 試行導入の結果から、RPA導入の効果を最大限に発揮するためには現行業務プロセスを可視化して業務プロセスの整理・見直しや業務の改革・改善を行うことが重要だとしている。また、業務の作業量やRPA化の難易度等に応じてRPAロボット作成を事業者に委託するか、職員自身で作成するか、RPA化しないかを、検討・選定する必要があるとしている。

 大阪府は、RPAソフトの使い方の研修を行った上で、RPA専門知識を持つ者が十分にサポートをすれば、 職員自身が簡単なRPAロボットを作成・修正することも可能だという結論を出した。 ただし、職員は定期的に異動が発生するため、 継続的なサポ―ト体制の構築が不可欠とだとしている。

 大阪府は今後も、業務プロセスの可視化や改善を行ったうえで、RPAロボットの庁内への適用範囲拡大や新規業務へのRPA導入を引き続き推進していく考えだ。

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