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グーグル、メールセキュリティのPostiniを買収、ほか

Weekly Digest 2007年7月18日版

2007年7月18日(水)IT Leaders編集部

米グーグルは2007年7月9日、メールのセキュリティフィルタリングなどをサービスとして提供している米Postiniを買収することで合意したと発表した。Postiniは、メッセージングに関するセキュリティ機能をサービスとして提供している企業で、代表的なものとしては、電子メールのスパムやウイルスをブロックしたり、特定のコンテンツをフィルタリングしたりするサービスがある。

【ビジネス】フィードパスが住友商事との関係を強化

 フィードパス株式会社は、7月13日、第三者割り当て増資を行い、これまで株式の過半数(50.1%)を持っていた親会社であるサイボウズ株式会社の比率を35.1%に引き下げ、代わって住友商事の株式所有比率を35.1%(旧比率は12%)に引き上げることを発表した。

 これによりフィードパス株式会社の筆頭株主は、サイボウズと住友商事の2社体制となり、これまで以上に住友商事との関係を強化していくとしている。

 第三者割り当て増資の総額は1億6380万円(1638株)。フィードパスでは、この半分を資本金に組み入れ、残り半分を資本準備金として、運転資金とする。なお、今回の第三者割り当て増資は7月31日までに完了する予定。

 同社は、住友商事から取締役や従業員の派遣を受け入れるとしており、これを機に「新規Web 2.0サービスの開発を積極的に進めていく」としている。

【ビジネス】Google、メールセキュリティのPostiniを買収

 米Googleは、7月9日、メールのセキュリティフィルタリングなどをサービスとして提供している米Postiniを買収することで合意したと発表した。

 Postiniは、メッセージングに関するセキュリティ機能をサービスとして提供している企業で、代表的なものとしては、電子メールのスパムやウイルスをブロックしたり、特定のコンテンツをフィルタリングしたりするサービスがある。Postiniによると、すでに全世界で35000を超える顧客が利用しているという。

 6億2500万ドルのキャッシュでPostiniを買収するGoogleは、これによって「Google Apps」の機能を強化していくとしている。

【サービス】ソースネクスト、Webブラウザから利用できるオフィスソフト

 ソースネクスト株式会社は、7月9日、Webブラウザでアクセスしてオフィスソフトウェアの機能を利用できるサービス「ThinkFreeてがるオフィス」の日本語ベータ版を開始した。ワープロ、表計算、プレゼンテーションの機能があり、作成した文書を保存する1Gbytesのストレージも提供される(ローカルに保存することも可能)。また、Microsoft Officeで作成した文書を開くこともできる(対応しているのはMicrosoft Office 2003まで)。Windows、Mac OS X、Linuxの各環境で利用できるとしているが、Windows Vistaでは一部に不具合が出ることが確認されているため、今後対応予定としている。

 ThinkFreeてがるオフィスは、米ThinkFree社が提供している「ThinkFreeOnline」の日本語版と位置づけられるもの(ThinkFreeてがるオフィスのサービスは、thinkfree.co.jpドメインで提供されている)。ThinkFree社は、もともとローカルにインストールして利用するPure Javaのオフィスソフトウェア「ThinkFree Office」を開発しており、このThinkFreeOnlineは、それをWebブラウザから利用できるように(Javaアプレットに)したサービス。Javaアプリケーションとして作り込んできた歴史があるため、Google Docs & Spreadsheetsに比べると、ユーザーインターフェイスや機能が非常にリッチなのが特徴となっている。ただし、そのトレードオフとして、利用にはJRE(Java Runtime Environment 1.5.x)が必須となっている。現在では、購入時のデフォルト状態ではJREがインストールされていないパソコンも増えてきており、「Webブラウザだけあれば」とは必ずしも言えないのが弱点でもある。この点、標準技術だけを利用していて(対応する)Webブラウザさえあれば確実に利用できるGoogle Docs & Spreadsheetsとは対照的だ。

 なお、ThinkFreeてがるオフィスの開始と同時に、作成したドキュメントを公開、共有する「ThinkFreeDocsてがるライブラリ」の日本語ベータ版も公開された。これは主に、ThinkFreeてがるオフィスを利用して作成した文書を、相互に評価したりテンプレートして再利用することを狙ったもの(実際には、ThinkFreeてがるオフィスで作成したもの以外の文書ファイルも公開することはできるという)。ユーザーの評価やコメントに含まれる文字を手がかりに検索することができる機能も提供される。今回の日本語ベータ版の公開に合わせ、株式会社エクスメディア、株式会社ミロク情報サービスの協賛により、500点以上の文書テンプレートが登録された。

 ThinkFreeてがるオフィス、ThinkFreeDocsてがるライブラリの利用には、ユーザー登録(無料)が必要。サポートとしてFAQが公開されているが、現状は英語版となっている。

【開発】Google Maps APIに新機能

米Googleは、7月11日、Google Maps APIに新たな機能を追加したことを明らかにした。これで最新バージョンは「Ver.2.84」となった。

今回追加されたのは、XMLファイルを用いて地図上に別のコンテンツを追加するGGeoXMLの新しい関数と、オブジェクトをドラッグ可能にする「GDraggableObject」の新しいイベント。GGeoXMLには、asLoaded()、loadedCorrectly()、getDefaultCenter()などの関数が新たに追加され、複数のコンテンツを扱う処理を簡単に記述できるようになった。また、GDraggableObjectには、click、drag、dragstart、dragendなどといったイベントが追加され、ユーザーがオブジェクトに対して行う操作をよりきめ細かく把握することができるようになった。

なお、同日、これまでプレビューとして主に開発者に向けて公開されていた「Mapplet」を正式なサービスとして一般公開した。Mappletは、Google Maps APIを利用してGoogle マップに機能を追加する「アプレット」。これまでにも、Google Maps APIを用いて自身のWebページで特定の機能を持った地図を実現することはできた。しかしMappletの場合、ユーザーには、それがあたかもGoogleマップの機能の1つとして見えるところが根本的に異なる。たとえば、Googleマップのカスタマイズ地図「マイマップ」に「Tokyo Subway Map」というMappletを追加すると、Googleマップに東京の地下鉄の駅を表示させることができる。こうした「追加機能」をユーザーが自由に作ってGoogleマップに登録することができるため、Webブラウザのプラグインのように、今後、ユーザーによって便利な機能が開発され、共有される「Mappletコミュニティ」が広がっていくことになるのだろう。

【セミナー】みずほ情報総研・平古場氏がエンタープライズ2.0を語る

Web 2.0テクノロジを企業内の情報共有に生かす「エンタープライズ2.0」について、この分野に早くから注目していた、みずほ情報総研の平古場浩之氏が講演するセミナーが、7月24日(火)に開催される。主催は、株式会社オーシャンブリッジと株式会社マイネット・ジャパン。要申し込み。

【セミナー】IAJapanセミナー

「エンタープライズ2.0を理解する~新たな企業情報基盤~」と題して、財団法人インターネット協会エンタープライズ2.0研究部会が主催するセミナーが、8月1日(水)に開催される。今回のセミナーは、「エンタープライズ2.0」とは何かを理解し、先進企業各社の最新事例から今後の企業情報システムの進むべき方向を理解することを目指し開催される。参加費用:2000円。 申し込み方法はこちら

プログラム内容

13:00- 開場 (受付開始)
13:30-13:40 エンタープライズ2.0研究部会より開会のご挨拶
13:40-14:20 1. 「エンタープライズ2.0で変わる企業情報システム ~エンタープライズ2.0入門」
リアルコム株式会社
14:20-15:00 2. 「企業革新がもたらす『先進的Web活用』と事例紹介」
日本電気株式会社
15:00-15:10 休憩
15:10-15:50 3. 「住友電工における企業内システムの変革とEnterprise2.0」
住友電工情報システム株式会社
15:50-16:30 4. 「日本における検索ソリューション事例紹介」
ファストサーチ&トランスファ株式会社
16:30-16:45 休憩
16:45-17:45 5. パネルディスカッション(エンタープライズ2.0、企業導入の課題)
各講演者
17:45-17:50 閉会ご挨拶

【FYI】日経コンピュータの特集「続・エンタープライズ2.0」がWebで公開

日経BP社のIT情報サイト「ITPro情報システム」で、「特集マッシュアップがもたらすシステムの破壊と創造」という記事が公開された。これは、日経コンピュータ誌2007年5月14日号に掲載された「特集続・エンタープライズ2.0」をリメークしたもの。日経コンピュータ誌の読者でなくとも読むことができる。

なお日経コンピュータ誌では、2006年4月3日号でも「エンタープライズ2.0――Webが開く新基幹システム」と題して、エンタープライズ2.0に言及した特集が組まれている。この記事は「新潮流エンタープライズ2.0」というタイトルでITPro会員(会員登録は無料)向けページにて公開されている。

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フィードパス / ソースネクスト / Google / メールセキュリティ

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