[エンタープライズ・システムのためのWeb 2.0]

ビジネスとWeb 2.0─企業革新をもたらす先進的Web活用と事例紹介

2007年9月16日(日)NEC

国内におけるインターネットのユーザー数は8700万人くらいと言われている。ケータイとPC両方からのアクセスが非常に多くなっており、一昨年はケータイからのみアクセスがもっと多かった。しかし、ここに来てPCとケータイの両方からのアクセスのが多くなっているのは、ケータイでは物足りなくなったユーザーが増えてきているとも考えられる。例えば、mixiはケータイからのユーザーが非常に多いサイトだが、PCと比べて操作性や一覧性が劣るため、PCからもアクセスするユーザーが増えてきているのだろう。

国内におけるWeb2.0の利用状況

 国内におけるインターネットのユーザー数は8700万人くらいと言われている。ケータイとPC両方からのアクセスが非常に多くなっており、一昨年はケータイからのみアクセスがもっと多かった。しかし、ここに来てPCとケータイの両方からのアクセスのが多くなっているのは、ケータイでは物足りなくなったユーザーが増えてきているとも考えられる。例えば、mixi(ミクシィ)はケータイからのユーザーが非常に多いサイトだが、PCと比べて操作性や一覧性が劣るため、PCからもアクセスするユーザーが増えてきているのだろう。

画面1:日本国内のSNSブームのきっかけとなったmixi。2006年12月当時のポータル画面イメージ(出典:ミクシィ)
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 ブログ投稿数を言語ごとに集計すると、日本語が一番多い。1日に150万件ほど投稿があるようで、CGM(Consumer Generated Media)のメディアとしてブログをマーケティング活動などに活用できるのではないかと考える人が増えている。

 そしてブログよりもさらに活況なのがmixiなどのSNS。SNSの登録者数は今後さらに増えるのではないかと言われている。その理由としては、MySpaceのような海外で人気のあるSNSが日本に入ってくることや、mixiがより使いやすくなるなどが挙げられる。これにより、現在8,700万人いるインターネットのユーザーのうち、5000万人くらいがSNSのユーザーになるのではないかと考えられている。

 mixiは国内におけるCGMの代表として挙げられるだろう。mixiはこれまでコミュニティの情報共有が中心だったが、広告掲載も増えてきている。これは、ユーザーのリコメンドによってモノが売れるという仕組みを利用しようと考えている人が増えているということを示しているとも捉えることができる。

 また、YouTubeもCGMの代表として挙げられる。これも多くの購読者がおり、1000万人がユーザー登録をして何らかの書き込みを行っているが、月間のページビューは約6億ある。つまり、登録者よりページを見ている人がはるかに多いことを意味している。こうした状況を利用して広告を流すメディアとして利用しようと考えている企業も増え始めている。

 たとえば、任天堂がゲーム機「Wii」の発売にあたって、Wiiを使って遊んでいるところをプロモーションビデオにしてYouTubeにアップロードしたところ、2日間で60万ビューの反応があり予約が殺到した。これだけにとどまらず、このCMに影響を受けたユーザーが、自分たちが遊んでいる様子をYouTubeにアップロードした。任天堂は何もしていなくても、ユーザーが勝手に宣伝してくれるわけで、これがCGMの代表的な例と言えるだろう。

 今話題になっている「Second Life」は仮想空間でありながら、実際の世界とお金の流通ができ、日本では150億円ぐらいの市場規模があると言われている。そこに、ビジネスチャンスがあると見て、Second Lifeに進出する有名な企業も多い。たとえば、日産自動車は自動販売機で自動車を購入できるような実験をしている。そのほかにも、放送局の設立など、ユーザーが自分たちでいろいろなものを作り、流通させることで、経済ができあがっている。

 このように昨今ではさまざまなWeb2.0のサイトが利用され、企業のさまざまな活動に利用するような流れが始まっている。

エンタープライズ2.0導入によって変わる3つのポイント

 企業内にWeb2.0のテクノロジーを導入する、つまりエンタープライズ2.0の適用によって何が変わるのか? 大きくは3つの変化が挙げられる。まず、1つめが「マーケティングが変わる」ことで、2つめが「企業内/外のコミュニケーションが変わる」こと。そして、3つめが「システムの実現手段が変わる」ことだ。それぞれについて、詳しく説明していく。

1. マーケティングが変わる

 最近はDVDレコーダーの普及で、リアルタイムにテレビを観ないユーザーが増えたため、テレビCMがスキップされてしまうことが多くなった。そうした流れに対応するため、今後はYouTubeのようなウェブ系のメディアもうまく使ってプロモーションを行う必要がある。

 また、企業からのメッセージを消費者に届ける方法も、これまでのように企業から消費者にダイレクトに伝えるのではなく、ブロガーやコミュニティを通した「口コミ」を利用するが効果的となる場合もある。

 さらに、顧客の「生の声」はアンケートやインタビューではうまく集めるのは難しいが、ブログやSNSを分析することで、評判やトレンドワードといった「生の声」を集めるのに役立つ。

 こうした手法は、これまでのマーケティング手法よりも顧客との関係を高めた「全員参加型のマーケティング」と言えるだろう。


図1:マーケティングが変わる

2. 企業内/外のコミュニケーションが変わる

 最近は、1つのプロジェクトに対して、組織を超えて仕事を進めていくケースが増えつつある。こうした場合に、Web2.0をうまく活用することで、社内の人間とコミュニケーションをとって、効率良く仕事を進められる。たとえば、これからやろうとしているアイデアが、自分の専門外だった場合に、キーワードで検索すると、今まで付き合ったことがない部署の人間のブログから情報を手に入れることができる。つまり、社内にある情報を検索し、効果的に利用することが可能になるのだ。


図2:企業内/外のコミュニケーションが変わる

3. システムの実現手段が変わる

 社内に膨大にあるシステムを有効活用する場合も、Web2.0を活用することでシステムの自由度を高められる。最近では、利用した分だけの料金を支払う「従量型」のサービスも始まっており、今後もそうしたサービスは増えていくだろう。


図3:システムの実現手段が変わる

 こうした変化をまとめると図 4のようになる。この図にもあるとおり、企業におけるWeb2.0の活用は、「①人と人との繋がり・集合知」と「②システム連携」に分類されるとなる。エンタープライズ2.0の適用は、こうした点を踏まえつつ「どこから始めるのか」を検討していくと良いだろう。


図4:企業におけるWeb2.0の活用

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