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[技術解説]

エンタープライズ2.0を実現するためのツール「SuiteTwo」の機能を検証する

2007年9月25日(火)IT Leaders編集部

「エンタープライズ 2.0」のベースとなっているウェブ2.0は、革新的なテクノロジーというわけではなく、情報をオープンにして共有することでコラボレーションを行うという、インターネット本来の姿を表しているに過ぎない。エンタープライズ 2.0では、こうしたインターネットが持つ本来の能力を企業でも利用し、より良いビジネススタイルを発見していくことにその本質がある。本稿では、エンタープライズ2.0を実現するためのツールである「SuiteTwo」を紹介し、その利用方法と導入効果から、これからの企業の進むべき方向を考える。

SuiteTwoとは

「SuiteTwo」(スイートツー)は、SpikeSourceがブログやWiki、RSSの各アプリケーションをパッケージングしたコラボレーションスイート製品である。ウェブ2.0ツールとして定評のある、次のアプリケーションがパッケージングされており、日本語版が日本電気株式会社より販売されている。

  • 「Movable Type Enterprise」ブログアプリケーション(Six Apart社)
  • 「Socialtext」Wikiアプリケーション(Socialtext社)
  • 「NewsGator Enterprise Server」RSSフィードリーダー(NewsGator社)

サーバーOSは、Red Hat Enterprise Linux AS 4(RHEL4)およびMicrosoft Windows 2003 Server R2(Windows 2003 Server)の両方を使用する(Movable Type EnterpriseとSocialtextはRHEL4上で、NewsGator Enterprise ServerがWindows 2003 Server上で動作する)。

またApache、Tomcat、PostgreSQLといったオープンソースソフトウェアによる基盤スタックを組み合わせ、動作検証を行ったものを「SpikeSourceコアスタック」として提供する。さらに、OSSにおいての課題であるサポートについて、不具合修正や操作性向上のためのアップデートを動作検証した状態で提供する更新用管理ツール「SpikeNet」も提供している。

 
説明図 SuiteTwoの構成

それでは、SuiteTwoの各アプリケーションと、その機能について簡単に解説していく。

信頼あるブログ、Wiki、RSSリーダー

SuiteTwoのブログツールには、Six Apart社の「Movable Type Enterprise」が搭載されている。この「Movable Type Enterprise」は日本国内においても最も利用され、信頼のあるMovable Typeのエンタープライズ版であり、グループ&ロール機能、ワークフロー機能、ブログポータル機能といった、企業で利用する際に便利な機能を備えている。

Wikiツールには、Socialtext社の「Socialtext Enterprise」が搭載されている。Socialtextは、Googleに買収されたJotSpot社のJotSpotと並ぶ企業向けWikiアプリケーションで、通常のWiki機能に加え、特定のメンバーでのみ共有するワークスペース作成機能、リッチテキスト形式の編集機能、さまざまなWebパーツを埋め込むことのできるWikiWidgets機能、電子メールを送ることでWikiページを作成する機能、ページ内容を電子メールで送信する機能などを備えている。

RSSフィードリーダーには、NewsGator社の「NewsGator Enterprise Server」が搭載されている。RSSフィードは更新されたウェブページの要約情報で、それらの情報を一元的に収集し確認するためのツールがRSSフィードリーダーとなる。RSSフィードリーダーを用いることにより、更新情報をチェックすべきサイトの情報を効率的に集めることができるようになる。NewsGatorでは標準的なRSSフィードリーダー機能に加え、フィードにコメントを付けグループ間で共有できるクリップ機能、社内の他ユーザーが登録しているフィード状況から適切なフィードをお勧めするリコメンド機能、キーワードを設定するだけで、社内外から関連記事を収集してくれるキーワードスマートフィード機能、管理者がユーザーに登録させたくないサイトを指定できるブラックリスト機能などを備えている。

各アプリケーションを連携させる共通部分機能

SuiteTwoは、オープンシングルサインオンサービスのCAS(Central Authentication Service)によるシングルサインオン機能を備えており、各アプリケーションに対するすべての認証を認証サーバーを迂回させることでシングルサインオンを実現している。

この機能により、ユーザーはユーザー名/パスワードによるユーザー認証を1回だけ行えば、各アプリケーションをあたかも1つのアプリケーションであるかのように利用できる。さらに、各アプリケーション間のデータの受け渡しも認証を行うことなくスムーズに行うことができる。

また、SuiteTwoのすべてのアプリケーションを横断的に検索する統合化検索機能も利用できる。この機能により、特定のメンバー間だけで共有したい情報や広く見て欲しい情報などを分けて検索できる。検索結果のコンテンツに付属するタグも同時に表示させることができ、検索結果のすべてのタグから、どのタグが最も使われているかを文字の大きさで表現するタグクラウドを作成することができる。この機能により、検索したキーワードと関連するタグを一目で理解でき、タグクラウドをクリックすることで、通常の検索だけではたどることのできない関連情報まで見つけることができるようになる。

なお、シングルサインオンによるログイン前とログイン後で検索結果は異なる。ログイン前は閲覧に制限を設けていないブログ、Wiki、RSSフィードのコンテンツを横断的に検索でき、ログイン後はログインユーザーが見ることのできるすべてのコンテンツを横断的に検索することができる。

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