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ワコール、流通BMSに対応した通信環境を構築

2008年11月15日(土)IT Leaders編集部

ITホールディングスグループのTISと、EDI(電子データ交換)ソフトウェアでのトップシェアを誇るデータ・アプリケーション(DAL)は2008年11月14日、女性下着などを中心としたアパレルメーカー大手ワコールの「流通BMS」に対応したEDIシステムの通信環境をDALの「ACMS」で構築したと発表した。

 流通BMS(流通ビジネスメッセージ標準)とは、経済産業省の「流通システム標準化事業」の下、食料品・生活雑貨・日用品などグロッサリー商材での小売・卸業13社による共同実証を経て、2007年4月に新しいEDIの規格として策定・公開されたEDI標準規約である。2007年度はアパレルおよび生鮮へ、2008年度はドラッグストアおよび百貨店業界へと適用対象が拡大され、各業界特有の要件を取り入れながらバージョンアップされている。

 ワコールは、「流通システム標準化事業」にアパレルメーカー代表として参加しており、流通BMSへの対応も早い段階で検討していた。そしてワコールの主要ブランド「ウイング」の基幹系業務システムの2008年5月刷新に合わせて、EDIシステムを流通BMS対応とすると決定し、TISをパートナーとして採用した。

 ワコールは流通BMS対応の方法として、DALのEDIパッケージ「ACMS」を拡張することを選択。その理由として、ワコールの既存システムで「ACMS」を利用しており、安定性や機能面で評価されていたことに加え、「ACMS」がすでに流通BMS対応で多くの実績を持っており、運用後の投資対効果が高いと想定されたことが挙げられる。またTISが2007年に「ACMS」を活用して、化粧品・日用品・一般用医薬品卸売業の大手パルタックKSの流通BMS対応をいち早く支援した実績を持っていたためである。

 DALの「ACMS(Advanced Communication Management System)」シリーズは、企業間電子商取引に欠かせない機能と24時間×365日の連続稼働に耐えられる高可用性/堅牢性を備えたエンタープレイズ・データ・エクスチェンジ・ソリューションだ。小規模システムから大規模システムまで、さまざまなビジネス環境に対応し、さらに企業間と企業内の双方のデータ連携に対応した製品もラインナップした総合的なデータ連携ソリューションである。

 ワコールの流通BMSへの対応は、2007年12月より大手総合小売との接続テストを開始され、2008年5月の「ウイング」ブランドの新基幹系業務システムのカットオーバーと同時に行われた。今回「ウイング」ブランドの取引通信のブロードバンド化が実現し、データ送受信速度は大きく向上した。今後、大手総合小売、百貨店など複数の取引先との相互接続も予定しており、本格利用の段階では、データの取得時間がこれまでの数十分の一になるなど物流リードタイムの短縮、業務の効率化などが期待されている。またEDIメッセージが標準化されることで、取引ごとに構築していたメッセージ処理プログラムを集約することが可能になり、開発保守工程の負荷やコストの削減が可能になる。

 TISとDALは今回の実績を元に、今後日用品雑貨・アパレル業界はもとより流通BMS対応予定業界への導入支援を実施していく。

 稼働環境は次のとおり。
H/W : HITACHI HA8000/130, Sun Microsystems Sun Fire V240
OS  : Windows Server 2003, Solaris 9
RDBMS : Oracle Database 10g Release 1(10.1.0)
WAS : Apache Tomcat(5.0.28)

TIS
http://www.tis.co.jp/

DAL(データ・アプリケーション)
http://www.dal.co.jp/

ワコールホールディングス
http://www.wacoalholdings.jp/

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