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[私の本棚]

「坂の上の雲」他2冊(山崎製パン 石毛 幾雄氏)

私の本棚

2009年4月15日(水)IT Leaders編集部

職場にも読書好きが数人いましてね。みんなで本を持ち寄り、回し読みしています。それぞれ嗜好が違いますから、回ってくる本のジャンルはばらばら。そこがおもしろいんです。自分では買わないような本を読めますから。

坂の上の雲坂の上の雲
司馬遼太郎 著
ISBN:978-4163228105(第1巻)
文藝春秋
1680円

職場にも読書好きが数人いましてね。みんなで本を持ち寄り、回し読みしています。それぞれ嗜好が違いますから、回ってくる本のジャンルはばらばら。そこがおもしろいんです。自分では買わないような本を読めますから。

本を読むのは、出張時が多いですね。自宅と会社が近いので、毎日の通勤中には本を読むほどの時間がないんですよ。自宅で読書するときは、妻のピアノを置いた防音室にこもり、BGMも流さず本の世界に没頭します。

つい先日は、30年ぶりに「坂の上の雲」を読みました。酒の席で乃木希典の話が出て、学生時代に読んだこの本のことを思い出したんですよ。残念ながら当時の本は処分してしまったので、新たに買い直しました。物語の舞台は、明治維新から日露戦争にかけての日本。そこで、秋山好古・真之兄弟や正岡子規といった青年たちが近代国家を目指す姿を描いています。

学生時代に読んだときとは、やはり読後の感じ方が違いますね。以前は、日露戦争の旅順攻撃で多くの戦死者を出した乃木希典の無謀さばかりが印象に残ったんです。ところが、読み直してみると、登場人物1人ひとりの人間的魅力に引き込まれました。特に、正岡子規にはひきつけられました。彼に関する記述の部分ばかり拾い読みしたほどです。著者もよほど彼に惚れこんでいたんでしょう。それが伝わってくる文章です。

もう一つ、70人以上のメンバーを率いる今の立場として心に残ったのは、登場人物たちのモチベーションの高さです。我々も、優れたシステムという“坂の上の雲”を目指し、組織のモチベーションを上げていかなければ。そう痛感しました。

組織と言えば、「経営者に贈る5つの質問」はおすすめです。これは、組織のアセスメント手法を解説した1冊。アセスメントというと難しそうですが、実際の質問は「私たちの使命は何か」「私たちの顧客は誰か」「顧客は何を価値あるものと考えているか」「私たちの達成した成果は何か」「私たちの計画は何か」と、極めてシンプルです。

実はこの手法、当社は10年ほど前から採用し、社内共通の判断基準にしているんですよ。私自身、新システムを提案する際は5つの質問に沿って説明するようにしています。判断基準が明確だと、システムの意義が伝わりやすいですね。

2015年の日本」は書名通り、日本の将来について提言しています。目新しい内容ではないんですが、非常に説得力がある。理論の正しさを示すために、各種統計データをふんだんに使っているんですよ。感心しました。今後の提案書作りの参考にさせてもらおうと思っています。

定年後は中国に渡って遺跡を掘りながら暮らそうか、なんて考えています。トロイ遺跡を発掘した考古学者シュリーマンの伝記、「夢を掘りあてた人」の影響です。まあ、実現可能性は低いでしょうね。試しに息子に話してみたら、「どうせ1週間で飽きて帰ってくるよ」と一蹴されました。見透かされています(笑)。

経営者に贈る5つの質問

  • P.F.ドラッカー 著、上田 惇生 訳
  • ISBN:978-4478006542
  • ダイヤモンド社
  • 1575円

2015年の日本

  • 野村総合研究所2015年プロジェクトチーム 著
  • ISBN:978-4492394939
  • 東洋経済新報社
  • 1680円
画像:石毛 幾雄氏

石毛 幾雄 いしげ・いくお
山崎製パン 計算センター 室長

1977年、山崎製パンに入社。工場や本社経理本部などでの勤務経験を生かし、生産や販売、経理システムといった基幹システムの再構築などに携わる。現在は、関連会社であるデイリーヤマザキの新システム導入の指揮を執っている。将来を見据えた戦略眼で、トップメーカーのシステム部門を牽引する。

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