[市場動向]

日本HPとシトリックス・システムズ・ジャパン、クライアント仮想化事業で協業

2009年4月26日(日)IT Leaders編集部

日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とシトリックス・システムズ・ジャパンは2009年4月24日、HPブレードPCへの「Citrix XenDesktop 3.0」のバンドルを軸に、より柔軟な企業のPC環境の管理コスト削減とセキュリティの強化を支援するクライアント仮想化ソリューションの提供、販売において協業することを発表した。

発表によれば、企業の運用・管理コストの削減やセキュリティの問題への対策として、使用するPCの機能の分解・再配置を行い、アプリケーションやデータはデータセンター側で一括管理し、ユーザー側にはシンクライアントを用いて情報を表示する、という「クライアント仮想化」の利用が大きな市場の流れになってきている。

クライアント仮想化の手法としては、サーバー上に仮想的なPCを構築し、リソースを柔軟に利用できる「仮想PC方式」や、独立したブレード型のPCに接続し、1ユーザーあたりに担保された性能を常に利用できる「ブレードPC方式」など複数の方法がある。しかし、多くの企業において、最適な要求性能は部署によって異なるのが一般的で、部署ごとにそれぞれ最適な手法の仮想クライアントを導入し、それらを一括して管理できる柔軟なソリューションが求められるようになってきているという。

今回、サーバー、ストレージ、ブレードPC、シンクライアントでの実績を持つ日本HPと、仮想化技術で市場をリードしてきたシトリックス・システムズ・ジャパンの協業により、クライアント仮想化における広範なソリューションが提供されるとのこと。

HPはすでに、同社のブレードPC「HP bc2200 Blade PC」と「HP bc2800 Blade PC」に、ブレードPCと仮想PCの双方に対応する仮想化ソフトウェア「Citrix XenDesktop 3.0」のライセンスをバンドルすることを発表。それらの製品では、Citrix XenDesktop 3.0を利用したブレードPCの管理が可能になっている。

今回の協業で両社は、単なる製品バンドルに留まらずこれをさらに推進するための、共同での検証や販売促進の施策の実施で合意した。発表された協業の内容は、以下のとおり。

  1. 検証環境を両社に常設:日本HP市ヶ谷本社とシトリックス・システムズ・ジャパン霞が関本社に常設の実機検証環境(デモセンター)を開設。両センターはそれぞれ仮想PC方式とブレードPC方式の混在した「Citrix XenDesktop 3.0」環境を備え、クライアント仮想化環境を実体験できるスペースを提供して、顧客の検証や各種サポートを実施する。
  2. 共同のプロモーションを実施:仮想PC方式とブレードPC方式が混在した仮想クライアント環境の利便性を紹介するセミナーを、6月3日(水)に日本HP本社で開催。また、5月26日(火)開催のマイクロソフト主催イベント「The Microsoft Solution Conference 2009」、6月8日(月)~12日(金)に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo2009」においても、両社共同でのプロモーションを予定している。
  3. 協業を記念しキャンペーン製品を販売:4月24日(金)~6月30日(火)の期間限定で、ブレードPCとしても、XenDesktopやXenApp(旧Citrix Presentation Server)環境用の端末としても最適なHP製シンクライアントを、以下のキャンペーン価格で提供。なお価格はいずれも税込みで、シンクライアントをまとめて5台以上購入した場合にのみキャンペーン価格が適用される。
  • Windows XP Embedded搭載スタンダードモデルシンクライアント「HP t5630 Thin Client + HP 17インチTFTモニター セット」:標準価格7万1400円を、キャンペーン価格4万8300円で提供
  • B5サイズモバイルシンクライアント「HP 2533t Mobile Thin Client」:標準価格8万9250円を、キャンペーン価格6万9300円で提供

両社は今後、サーバー、ストレージ、シンクライアント、「Citrix XenDesktop 3.0」をバンドルしたキャンペーンなども計画している。

日本HP
http://www.hp.com/jp

シトリックス・システムズ・ジャパン
http://www.citrix.co.jp

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