[ユーザー会通信]

毎年20超のグループが研究活動を展開、50年以上の歴史を持つ老舗ユーザー会─ユニシス研究会

ユーザー会通信 第10回 日本ユニシス

2009年7月24日(金)IT Leaders編集部

「ユニシス研究会」は「日本で最も歴史の長いIT関連のユーザー会」である。同研究会の源は1953年に創設された「レムランド研究会」(レミントン・ランド式パンチカードのユーザー会)である。その後、日本ユニバック(設立当初は日本レミントン・ユニバック)が設立されて「ユニバック研究会」となり、1988年には日本ユニバックとバロースが合併、その翌年に現在の「ユニシス研究会」が誕生した。発足当初から数えると、50年以上の歴史を持つ。

 「ユニシス研究会」の特徴は、活発な研究活動だ。産業別、技術別の研究部会を立ち上げ、会員およびユニシス社員も交えて企業活動全般におけるIT活用に関する広範なテーマで、積極的に研究活動を繰り広げている。6月〜翌年2月までの約9カ月間で、8〜15回ほどの会合を持つという。

 活動成果は翌年3月に開催される研究活動発表会で披露する。2008年度は19テーマ27グループが活動した。今年度は20テーマを用意。「システムグラウンドデザイン(システムの基本構想策定)」「不況下に求められる経営管理」などのマネジメント層向けのものから、「グリーンICT」「クラウドコンピューティング」「ユビキタス2.0」などの旬な話題や先進テクノロジーをテーマにしたもの、品質管理やデータ管理、RFPなどのリーダー・現場担当者向けのものまで、バラエティに富んだテーマが用意されている。

 変わったところでは、入社4〜5年目の若手技術者を対象にした研究活動や、今年度から女性限定の活動がある。後者の女性限定の活動では、女性が社会でいきいきと働き続けるための「ワークライフバランス」についての研究活動を予定している。最近では支部活動でも女性向けITセミナーが活発に行われ、女性参加者も増えているという。

 研究活動以外の主な活動としては、支部活動や全国カンファレンス(春)やフォーラム(秋)、海外スタディ・ツアーなどがある。北海道から九州まで全国10カ所の支部では、各地域の特性を活かして活動を実施。支部の中には東北支部などのように広範なエリアを対象とした支部もある。同ユーザー会では場所という制約条件を緩和するため、テレビ会議システムを導入し、誰でも容易に活動に参加できるような工夫を凝らしている。これも老舗ユーザー会ならでは配慮だろう。

 毎年春に開催される全国カンファレンスは日本ユニシスグループのプライベートイベント「BITS」との併催という形を採っている。今年は6月4、5日に開催された。ここでは研究活動や応募論文など、ユーザー会の活動の中で特に優れた活動に贈られるエッカート賞の表彰も行われ、グループ研究活動「観光から地域活性化を考える」が2008年度エッカート賞を受賞した。エッカート賞は66年に制定された歴史ある表彰制度。これもユーザー会活動の活性化を促す要因の1つとなっている。

ユニシス研究会 概要
設 立 1989年
趣 旨 研究活動、情報交換、相互交流
会員数 約700社(2009年3月末現在)
年会費 2万4000円(初年度は無料キャンペーン中)
主な参加企業 ニチレイ(会長)、フコク情報システム(副会長)、イズミ(副会長)
URL http://www.yuni-ken.gr.jp/
主な活動
研究活動 グループ研究、サマースクール、研究成果発表
全国イベント 全国カンファレンス、全国フォーラム、海外スタディツアー
支部活動 全国10支部で、支部フォーラム、グループ研究、セミナー、企業見学会など
機関誌 「こらぼれ〜しょん」(年3回発行)
Webサイト、メールマガジン

会長からのメッセージ

浦野 光人氏 ニチレイ 代表取締役会長
浦野光人氏

 ユニシス研究会は、会員企業の仲間が自主的に運営する研究活動の場であり、最新の情報を吸収しながら啓発し合い、IT活用に成果を上げてきました。

 ITが、社会や企業経営に重要な役割を占める今、情報システム部門のみならず、広く経営層から担当者に至るまでご参加を頂き、ITを自在に活用し、それぞれの企業の発展を通して日本ユニシスグループとともに、社会に貢献する研究会を目指し、活動していきます。

バックナンバー
ユーザー会通信一覧へ
関連キーワード

Unisys / BIPROGY / ユーザー会 / パンチカード / ニチレイ

関連記事

トピックス

[Sponsored]

毎年20超のグループが研究活動を展開、50年以上の歴史を持つ老舗ユーザー会─ユニシス研究会「ユニシス研究会」は「日本で最も歴史の長いIT関連のユーザー会」である。同研究会の源は1953年に創設された「レムランド研究会」(レミントン・ランド式パンチカードのユーザー会)である。その後、日本ユニバック(設立当初は日本レミントン・ユニバック)が設立されて「ユニバック研究会」となり、1988年には日本ユニバックとバロースが合併、その翌年に現在の「ユニシス研究会」が誕生した。発足当初から数えると、50年以上の歴史を持つ。

PAGE TOP